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お笑い初期衝動

134.①小道具を使う



前回、自分の演技力不足を助ける方法として3つあげてみた。
①小道具を使う。
②よくありがちな設定で芝居をする。
③ショートコントで乗り切る。

今回は、その内の①小道具を使うについて、詳しめに触れていきましょう。


一人芝居というのは、基本難しいもので。
例えば、誰かと喋ってるていでの芝居は、お客さんに"見えない話し相手"を想像させないといけない。
その時に芝居が下手だと、お客さんが楽に想像できなくなり。お客さんに想像力の負荷を与えてしまうため、「しんどい」という印象になってしまいます。
ここでつまずくのは、ピンでやる上で、痛い減点です。

そこで小道具や衣装などが、視覚的な面でお客さんの想像力を手助けしてくれれば、設定・状況、はたまたボケのニュアンスも伝わりやすくなり、演技力のなさを補ってくれます。

また、小道具を使うことで、"視覚的な対象が増える"というのも利点です。

お客さんからすると、コンビなら見る相手が2人いるからまだいいが、ピン芸人の場合は1人。
その1人が芝居や喋りが下手だと、、なんというか、教え方が下手な家庭教師とマンツーマンでやり取りしてるような、極端に言うと、そんなしんどさがある。
この負のマンツーマン感をどうにか解消、せめて軽減させることは重要です。

この問題も、小道具にうまく視点をうつさせるような使い方をすれば、その瞬間、しんどい気持ちを一旦途切れさせることができます。

僕のイメージとしては、こう。
お客さんのしんどい気持ちが10までいくとゲームオーバーとすると、芝居が下手で7まで上がってしまってたものが、視点を小道具にうつしたタイミングで6とか5に下がる。
そんな感じです。


コンビとの違いということで、もう1点触れよう。

コンビであれば、基本ボケ担当とツッコミ担当がいるので、お客さんから見ても、役割分担が明確でわかりやすい。
しかしピンだと、当然ながら、2人でもって役割を分担をすることができない。

このデメリットも、小道具をボケ役にして、自らは専らツッコミ役で演じるなどすれば。ピンでも、ボケとツッコミの役割分担が可能となります。

このパターンで、今てきとうな思いつきで例をあげるならば。

「サンタさんが、枕元にプレゼントを入れた大きい袋を置いてくれてる。1年間いい子にしててよかった~。なんかたくさん入ってそうやぞ。僕の前から欲しかった○○も入ってるんかなぁ。」と言って、袋からプレゼントを出す。そのプレゼントがボケになってる。

みたいな感じですね。


あと、一番シンプルなことを言うと。
小道具なしでは、単純に地味にうつりやすいです。
地味というのは、それだけでお客さんの期待値を下げます。
残酷なことに、華のない芸人は、はっきり言ってマイナスからのスタートです。
それを小道具や衣装により、少しでも地味な印象を軽減させられる面もあります。


ということで、今回は小道具を使う利点について、いろいろ述べていきました。
最後に、誤解のないように補足をしておくと。

僕が言いたいのは、「小道具を絶対に使うべき」ということではありません。「小道具が身を助けるやり方もある」というニュアンスです。

自分の身を助けるやり方は様々あり、あくまでそのうちの1つの手法。
とはいえ、その手法を知ってて損はないことです。

知っていれば、それを「やる」「やらない」の2択から選べますが、知らなかったら、「やらない」の1択になるからです。



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