お笑い初期衝動
121.頭で描いたものを具現化する難しさ
『ネタふりなどの全体の形としてはオーソドックスなもので、ボケだけを斬新なものに』をテーマに漫才台本を書き、代走みつくにさんとネタ合わせした。
しかし、どうもしっくりこない。。
それまでと違う形を意識したネタ作り。
当時の僕には、それを即座に完成度高く具現化することができなかったのだ。
はっきり言えば、力不足であった。
3年後に始まるM-1グランプリで、中川家、ますだおかだ、フットボールアワーと、王道を意識した漫才師が次々と優勝したことを考えると、僕の「これからはこういう漫才が流行る」という読みは決して間違ってはなかったと今でも思うが。
頭では、理屈では、正解がわかっているつもりでも、そう簡単に理想の漫才台本なるものを作り上げることができなかった。
ネタをたくさん作っていけば徐々に良くできる、という自信はなんとなくあったものの。
相方がそれを信じて待てるかは別問題。
代走みつくにさんは人柄として、僕の漫才台本を「おもしろくない」などと露骨に言うことは決してないのだが。
今冷静に振り返ると、内心すごく困っていただろうと思う。
僕は僕で、自分のことで精一杯。
代走みつくにさんの心中を、冷静に察することもできていなかった。
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