少し不思議な話（３万円の車）
こんにちは奥山さんと言います。
小学生の頃、川崎にある東〇〇小学校に通っていたTさんは、その朝も集団登校していました。
その通学路には、ある有名メーカーの中古車屋が有り（今は某コンビニになっています）、お店にはたくさんの車が並べられていました。
何十万もする車がずらりと並んでいる中に1台だけ、子供のTさんでも「？」と思う程安い、３万円と言う値が付けられた車が展示してあり、登校仲間と「おいこの車、お年玉やお小遣い貯めれば買えるぞ！（笑」などと他の車に比べ、古い訳でも、傷があるわけでもないのに安いその車についてワイワイ言いながら学校へ行きました。
その日の下校時、一人家路についたTさんは、ふと朝の事を思い出し、中古車屋の前を通る時に、あの３万円の車を探しましたが、もう売れてしまったのか見当たりませんでした。
それから数日後、集団登校していたTさん達は、あの中古車屋の展示車の中にまた３万円の値段が付けられたあの車を見ました。
その日の下校時、中古車屋を見ると、また3万円の車は売れてしまったのでしょう、再び無くなっていました。
ところが数日たった登校時、Tさん達は、また中古車屋の展示車の中に、あの３万円の車を見つけたのです。
子供心にこれはおかしいな？と思ったTさんは、登校途中でしたが、朝のあいさつ程度はしていた中古車屋の店員さんに３万円の車について聞いて尋ねてみました。
すると、おじさんは事も無げに言いました。
「この車ね、運転しているとボンネットからぬーっと女の人が出てくるんだよ。」
このお店は、明〇大学や専〇大学の生田キャンパスなどの大学あった場所近くに存在していた為、大学生がこの３万円の車を展示するとすぐ買いに来るそうで、その時にちゃんとボンネットから女が出てくる訳アリである事を説明し、双方納得の上購入していくのですが、数日経つと、やはりもう乗れないと、このお店に戻しに来るのだそうです。
＊＊＊＊＊
この車にどんないきさつがあったか、女性については、どんな服装、髪の長さ、どの程度まで姿が見えたかなどＴさんに聞いたのですが、そこまでは分からないそうです。