少し不思議な話(携帯に写った顔)

こんにちは奥山さんと言います。
同僚のKから聞いた話です。
類は友を呼ぶ、おかしな人間にはおかしな仲間が集まる。
Kには高校時代から付き合いのあるA君と言う一風変わった友達がいます。
A君は高校3年間、誰とも話したくないと言う理由で、誰かが話し掛けようとすると「マウマウ」と意味のない言葉を発し、おかしな人を演じて人を遠ざけていたと言います。
そんなA君は心霊全般が大好きで、一度呪われてみたい、憑りつかれてみたいと常々公言していました。
そんなある日、社会人になったA君は、友達のB君から地元に有る神社の「ある場所」を踏むと祟りに合う、と言う情報を仕入れました。
呪われるチャンスとばかりにA君はその日、日が暮れるとさっそくその神社へ一人歩いて出掛けました。
B君から仕入れた情報に従って「ある場所」に行き、そこを地団駄を踏む様に何度も何度も踏みつけ、スクワットまでしたと言います。
いつ呪われるかいつ呪われるのかとわくわくしていたA君ですが、全くそんな気配もなく、がっかりしながらその場を離れ家路に着きました。
歩いて帰っている最中、A君は情報元のB君に携帯電話をテレビ電話の状態にし、何も起こらなかったよと報告しました。
残念だったねなどと話をしているとB君が「あれ、A、お前の顔なんだかブレてるな」と言いました。
歩きながらの通話です、手ブレなどでそうなっているかな?とB君は思ったのですが、ブレているのは顔だけで、体や背景はしっかり写っています。
手振れが原因じゃないかと思ったB君は、A君に試しに携帯を地面に置き顔を写してみてと頼みました。
A君そうしてもやっぱり顔だけがブレています。
そのうちB君が、A君の顔がブレて写っているのではなく、A君の顔の上に別人の顔がある、誰か知らない人の顔がA君の顔に重なる様に写っている事に気がづきました。
しかし、当のA君にはそんな状態になっている自覚はありません。
B君が、A君の顔と知らない誰の顔とが重なって写った携帯画面をスクリーンショットで撮り、A君の携帯に送りました。
それを見たA君は、確かに自分の顔の上に全く知らない顔が重なって写っているのを確認しました。
するとA君「やったー呪われた―!」と小躍りして喜びました。
A君の長年の願いがかなった瞬間でした。
 
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