少し不思議な話(イワナ)

こんにちは、奥山さんと言います。
これはある芸能人さんのyoutubeに送った事のある話です。
また、もしかすると、私の父親がドジョウが食べられなかった理由は、これに近い体験があったからではと私は思っています。

これは私が高校時代に、国語の臨時教師として来ていた小柄な先生が話してくれた、お化けも妖怪も出てこない、でも私は聞いてゾクッとした話です。
先生は、気に入った手ごろな竹を見つけて来ては、自分で漆を塗りマイ竿を作るほど釣りが大好きな、特に渓流釣りが好きな人でした。
ある日、イワナを釣ろうと、かなり急な岩場などをよじ登りしながら、かなり上流まで川をさかのぼり、全く人気のない、人の手の付いていない良さそうな釣り場を見つけ、釣りの準備を始めました。
先生の居る側の反対側の岸近くには大きな流木が浮かんでいて、そんな流木の下にはイワナが潜んでいる事を知ってた先生は、そこを目掛けて糸を垂れました。
すると予想通りに、いや予想以上にイワナが面白い様に釣れました。
先生は、こんなに釣れるなら、向こう岸に渡って、流木の近くで糸を垂らせば楽に釣れると考え、魚が逃げない様に静かに川を渡り、流木に近づきました。
そこで、今まで見えなかった流木の反対側を見て、なぜイワナがたくさん釣れたのか、その理由がわかりました。
「流木の裏に、私みたいな釣り好きが浮かんでいたんだよ。」と先生は言いました。
人気の全くない川岸で、浮かんだ死体と二人きりの状況を想像するとゾクッっとする、そんな話を授業の合間に聞かせて貰いました。

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