デジタル -2021年1月1日

(このnoteは2020年11月8日に下書きに残していたものです。原題ままです。)

すとーんと、2階から1階の階段を滑り落ちるように、恋に落ちた。落ちたことに気がつかなかった。仰向けになって天井をすみずみまで見て、ようやく気づいたような位だった。

わたしは自分の意思とは別にやらなければいけない事がある。眠ることだ。レンドルミンという、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を飲んでいる。これで電源を落とす。じぶんをログアウトする。

朝が来るのが怖かった。またログインしなければいけないのが辛かった。

彼は起こすと言った。定刻になると電話がかかってきた。おはよう、と声は言った。わたしはおはよう、と繰り返して、やっとこさ自分の人生にログインした。

わたしを起こしてくれてありがとう。朝だけじゃなく、いつも、起こしてくれた。気持ちが倒れた時、辛い気持ちから起こしてくれてありがとう。

いつまでもいつまでも、そんなことを考えている。

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