ある合宿前日の話
有隣堂アトレ恵比寿店を、もう3周はしたと思う。
時間があるときは、狭い書店をぐるぐると回るに尽きる。一つの棚の前で時間をつぶすのもいいが、なるべく多くの情報に触れるために極力すべての棚を眺めるのが好きだ。
土地柄か話題のビジネス書が店の中心にあり、2022年総決算、とか2023年超予想、とかそんな雑誌も並んでいる。その横のビジネス棚をぐるぐる回って、気になった本をいくつか流し読みする。
自分が手を伸ばす本を客観的に見て、あぁ今自分はこういう情報を求めているのか、と理解する。SNSマーケティング、みたいな本をいくつか手に取って、あぁ文化祭YouTubeのこと考えてたな、と思い出す。別にマーケティングしたいわけではないのだが。
小説も、ほとんどは眺めるだけなのだが一応一通り見る。
なんとなく手に取ったのは『犬も食わない』(千早茜、尾崎世界観著)。
一番目につくところに置いてあった、というのは建前。
帯の「付き合っていたって、二十四時間好きなわけじゃない。」という言葉が気になったから。
一話だけ立ち読みしたのだが、書き方はとても好きだったので続きも読めたらいいな、と思って頭の欲しいものリストに入れる。
そろそろ着く、という友人の連絡を受けて本屋の無限ループから身体を離れさせる。
2023年、うさぎ年。うさぎグッズが狭い本屋の一角を占めている。次にうさぎ年が来るときは自分もアラサー(28)なんだよな、と最近何度か思う。何してるだろうか、もう結婚とかしててもおかしくないのか、おもろいな。
恵比寿駅西口の改札の真正面で某部部長を待ち構える。
クリスマスが過ぎた街で人を待つからなのか、なんだか妙にどきどきしたのでスマホを触らずに、次々と出てくる人に目を凝らしてみる。
その中に、少し背の高い好青年を見つけた。
ポケットに突っ込んでいた両手を出して、思いっきり振ってみる。
キャラじゃないのはわかっているので、気恥ずかしさを携えながら。
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ヘッダー写真は、明日討論部合宿で行う「常識力考査」。
高校生が一人大問1つ作成し、中学生に解いてもらうという、電車内でのお楽しみイベント。
デザインに気が付いてしまった元中学受験生、日能研関東(株)社員の皆さんは見て見ぬふりをしてください、"オマージュ"なので。
解説とかnoteで書いてもいいのか。