【最速27.4秒】『ちょっと休憩』のポテンシャル
最近インターンやら授業やら研究やらでバタバタしておりまして、毎晩バタンキューな生活を送っておりました。皆様の中にも夜にはもうへとへと、なにもやる気がしない!って方は少なくないでしょう。実際、米国心理学会(APA)の調査では、成人の71%~79%が仕事に対して燃え尽き感、ストレスを感じると回答していたりしますしね。さらにこの調査によれば、回答者の60%近くが、そのストレスによる悪影響として、興味、意欲、エネルギーの欠如、認知的疲労、感情的疲労、肉体的疲労などを報告していたそうで、仕事の後にどっと疲れがやってくるのもうなずけるでしょう。
仕事上のストレスや疲労が長期的に体を蝕んでいくことは複数の研究から明らかで、例えばPLOS ONEに掲載された2017年の研究によると、職場での燃え尽き感は、冠動脈性心疾患、胃腸障害、2型糖尿病など、多くの身体的健康問題の予測因子として特定されたんだんとか。怖いですなぁ。
まあそうはいっても職場での燃え尽きにつながる多くの側面は、なかなかコントロールできないのが悲しいところで、あなたにできることは多くはないかもしれません。しかし、じゃあ何もできない!ってわけではありませんで、個人が実践できるアプローチもいくつか見つけられるでしょう。そんな中でも今回は簡単に実践できるわりになかなか効果がデカいぞ!って手法として「Micro-Break」なるものを紹介してみることにします。
Micro-Breakってのはまだ明確な定義があるわけではないものの、大体「作業をいったん中断してとる10分以内の小休憩」みたいな感じで説明されることが多め。Micro-Break以外にもWork BreakとかRest BreakとかMini Breakとか言われたりもしますが、今回はこの辺も全部含めて「Micro-Break」と呼ぶことにしましょう。この短い休憩をはさむことによって生産性を落とすことなくエネルギーを回復し、結果的に長期的に高い成果を上げられるようになるのでは?というわけですね。ちょっと小難しく言えば、Micro-Breakが適度に認知的過負荷を解消し、無理なく脳が働き続けてくれるのではないか、と。
これは単にタスクから距離を置くことで脳がすっきりする(神経の発火の調節)ってだけでなく、空気の供給、感情状態、血流の改善、脳への異なる刺激などが複雑に組み合わさることで高い効果を得られると考えられてまして、「ただの休憩」と侮らず一度試していただければと思っております。私もMicro-Breakを実践し始めてから、実際の作業時間は減ってるにもかかわらずより高い成果が上がり、疲労感もグンと減ったので。
てことで今回は、
Micro-Breakってどんな効果があるの?
何でみんなそんな効果があるのにMicro-Breakをとってないの?
休憩中には何をすればいいの?
最適な休憩時間は?
といったあたりを深ぼっていきます。"always-on"が当たり前になった現代社会においてこのMicro-Breakの習慣はかなりの「格差」を生む強力な武器になってくるかと思いますんで、ご興味あればお試しあれー。
Micro-Breakをとるメリット
それではまず、「そもそも何でMicro-Breakがそこまで必要なんじゃい?」ってことで、短い休憩をとるメリットを認めたデータをチェックしてみます。まあ休憩が大事!ってのは何となくわかっていたとしても、なかなか人の目もあるし休憩をとりにくいなーって感覚もよくわかるところ。実際、「休憩をとりたいと思うけど休憩をとらない」って現象はいたるところで確認されてますしねぇ。そこであらかじめ休憩をとるメリットを知っておくことで幾分か休憩をとる自分を「正当化」できるようになるのではないかと。休憩をとったとしても「早く戻らねば」とか思ってたんじゃあ心も体も休まりませんからね。
物理的にも心理的にも仕事から距離をとれる(R)
仕事中及び仕事後のストレスが軽減する(R)
強いネガティブ感情を抱く確率も低くなる(R)
休憩前後を含め一日の仕事中の集中力が高まる(R)
創造性が向上する(R)
他人を助ける行動を起こす確率が高くなる(R)
Micro-Break中に脳が急速に再活性化を起こし、タスクや学習内容が記憶に定着しやすくなる(R)
同様に、新しいスキルの習得スピードが圧倒的に効率化する(R)
みたいな感じ。上図は2022年のメタアナリシスの結果で、パフォーマンスに関しては必ずしもプラスに働くってわけではないものの、疲労感減少や活力アップ効果については一貫してナイスな方向に機能する傾向がお判りいただけるでしょう。
なんであなたは休憩をとらないの?
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