人工いくらの形成条件の実験 〜作成編〜

こんばんは、奥山です。
今度人工いくらでカクテルを作るイベントをやりたい!と目論んでいます。
なので今日は、本番で爆死しないよう、実験して使える材料を検討していきます。

人工いくらって何さ?


簡単で面白い実験なので調べればたくさん出てきますが、アルギン酸ナトリウム水溶液を、20cmほど上から乳酸カルシウム水溶液に一滴一滴落としてやるだけでできます。
かんたん!

原理としては、落とした液が混ざるより早く、表面に膜ができるから丸の形に固まるわけです。


もっと言うと、遊離アルギン酸がカルシウムイオンと結合して、界面にできたアルギン酸カルシウムの膜によって球状になります。 

そのため、アルギン酸溶液のpHなどの条件でアルギン酸が遊離できないなどの状態になると、固まりづらいことが予想されます。

まぁ、そんなことはどうでもいいからとりあえずやってみましょう。

材料

<20mg/ml 乳酸カルシウム水溶液>
* L型発酵乳酸カルシウム 8g
* 水 400ml

<10mg/ml アルギン酸溶液>
* アルギン酸ナトリウム 2g
* 液体200ml

分量は適当でも割となんとかなります。
小数点以下のメモリがない電子天秤でもなんとかなってるし。


使用した液体の内訳はこちら。

* トマトジュース
    * トマトジュース200ml
* 紅茶
    * 午後の紅茶 ストレートティー 200ml
* カシス
    * LEJAY カシス 100ml
    * 水100ml
* ウィスキー
    * SangSom(タイウィスキー) 100ml
    * 水 100ml

とりあえず、条件を分けて実施。
対照実験?紅茶なんてほぼ水だから大丈夫(暴論)
・高粘度(トマト)
・薄味(紅茶)
・高アルコール(ウィスキー)
・味が良さそう(カシスリキュール)

手順

順番にやっていきます。

まずは 20mg/ml 乳酸カルシウム水溶液の作成。
水 400ml に L型発酵乳酸カルシウム 8g を加え、溶けるまで混和します。
乳酸カルシウムは普通に溶けるので、棒状のものでぐるぐるやりましょう。


そしたら個別にアルギン酸溶液を作っていきます。
容器がたくさんいるので注意。

各液体200ml にアルギン酸ナトリウム 2g を加える。
ハンドミキサーで溶けるまで混ぜる。
はい、ここは普通に混ぜてもまず溶けないので、ハンドミキサーを使いましょう。


混ぜると、洗濯のりみたいにめっちゃネバつきます。
アルギン酸は海藻のぬるぬる成分の元なので、まぁそうなるか。


10分ほど放置しましょう。
おそらく気泡を消すために行ってるのでしょうが、材料によってはめっちゃ泡立って10分では消えません。今回だとトマトとか。
気になる場合は、前日に作って冷蔵庫に放置しておきましょう。


シリンジで20cmほどの位置から、1滴ずつ落とします。
あんまり高いとこから落とすと、跳ねて形が崩れることがあるのでほどほどに。

これで人工いくらの完成です。


この際、入れっぱなしにしておくと皮が厚くなります。
そのあたりのバランスはお好みで。

思ったより長くなったので、味については次のnoteで。
実験にお付き合いいただき、ありがとうございました。


派生1:パスタ状


シリンジを乳酸カルシウム水溶液に突っ込み、そのままピストンを押すと、パスタ状に形成される。


熱で溶けないので、オサレな料理とかに使えそう。



派生2:大玉化


シリンジではなく、スプーンやお玉にアルギン酸ナトリウム溶液を入れ、ゆっくり乳酸カルシウム水溶液に浸す。
ゆっくりスプーンなどから剥がしてやると、卵の黄身のような大きい球状になる。正円は難しいので諦めよう。

噛んだ時に、口の中にブワッと液体が溢れ出て楽しい。


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