人工いくらの形成条件の実験 〜材料編2〜
こんばんは、おくさんです。
今日は、人工いくらの作成における材料の影響について、より深く掘り下げていきます。
材料
* ccレモン
* CCレモン 200ml
* コーラ
* コーラ 200ml
* コーヒー
* コーヒー 100m
* カルピス
* カルピス 100ml
* 水 100ml
今回の目玉としては、炭酸を固めてみた点。
カクテルを作成するにあたり、炭酸は欠かせないもの。
潰して味がまざる体験に、炭酸のアクセントも入ると考えると、より楽しいのではないか?
カルピス
失敗しました(いきなり)
…はい、カルピスは
「乳酸カルシウム水溶液に落とす」より前の段階。
「アルギン酸ナトリウムと混ぜる」段階で固形化しました。
よくよく考えると、至極当たり前の話です。
この反応の中身は以下のような内容です。
乳酸カルシウム → 遊離乳酸 + カルシウムイオン
アルギン酸ナトリウム → 遊離アルギン酸 + ナトリウムイオン
遊離アルギン酸 + カルシウムイオン → アルギン酸カルシウム(固形化して膜になる)
つまり、カルシウムイオンがあれば固形化します。
翻って、カルピスの原料はなんでしょうか。
乳製品です。
カルシウムたっぷりな乳製品です。
…はい、そもそも無理だったということですね…
牛乳とかも同様の理由で無理だと思います。
コーヒー
できました。
なんというか、普通にできて面白みがないくらいです。
水出しコーヒーを選んだせいか、えぐみがクリアに出るのであまりお勧めできない味です。
でもサイダーで割ると案外いける。
カフェオレみたいな濃い味ならもっといいんでしょうが…
乳製品が入ると、カルピスと同じ理由で固まると予想されます。
ままなりませんね。
CCレモン & コーラ
結論から言うと、大成功です。
この2つの結果はほぼ同様だったため、まとめて説明します。
どちらも危惧された炭酸による影響(固まりづらいなど)はみられませんでした。
粒はしっかり固まり、特に乳酸カルシウム水溶液に沈むため生産フロー的に良いです。水溶液に浮くと、たくさん作った時に、以前に作った粒にくっついていびつなのが生産されるからです。
液体に沈むのは、どちらも炭酸ジュースの例に漏れず、多量の糖が利用されているため比重が重い体と推測されます。
味についても、十分濃いためえぐみが気にならないです。
できた直後であれば、炭酸も十分感じられました。
全体として
カクテルとして楽しむにあたり、
分子調理研究会に乗っていたレシピはキツいです。
固めたい液体に対し、10mg/ml のアルギン酸を加えて作成するよう案内されていました。
このレシピだと食感はともかく、よほど濃い材料(トマトジュース)でない限りアルギン酸自体のえぐみが前に出て食べづらいものになりました。
実際、元のレシピで材料にリキュールを利用していたのは、その辺りに起因するように思います。
普通の飲み物からいくらを作成する際には、
まず 2.5mg/ml のアルギン酸で強度を確認し、
問題があれば 5mg/ml で作成するのが良いように思います。
2.5mg/ml だとかなり柔らかくなりますが、
概ねどの材料でも問題ない程度の強度が得られ、
アルギン酸の味も邪魔にならない程度に抑えられました。
もし、試してみたい場合にはご参考ください!
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