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wonder 君は太陽

まず最初に伝えたいこと。

年間300本ほど映画を観て10年近く経つ私だが

この「wonder 君は太陽」は

これまで観た映画の中で一番好きな映画のうちのひとつになったはずだ。

【あらすじ】遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきた10歳の男の子オギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)。過去に27回も手術を受けてきたオギーを一度も学校へ通わせず自宅学習をさせてきた母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)だったがいつまでも家の中で留めるわけにもいかないと、夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の反対を押し切って、学校に行かせることとなった。

【感想】

オギーは映画の中ではゾンビ顔などと言われているし、確かに見た目は個性的だ。

だけどどうして。もう堪らなく愛おしい。

メラビアンの法則(人は見た目が9割的な)は
確かに存在するけど、その先にあともう少し
「人の本質をよく見ること」の大事さを改めて感じる。
「あの子こういう噂聞くから」とか「自分の友達があの子と揉めたから」とか本当くだらない理由で自分の人付き合いすら構築する人って多いなって感じる。
自分の意見は一体どこにあるんだろって思うし、自分自身で会話した上でその子が苦手と感じたわけじゃないなら自分の気持ちにも不誠実だし、寂しい考えの人なんだなって思う。
身体的及び内面の特出した個性や、国籍も性別も本当一切関係ないと思うんだよね。
人の良いところを見つけられる人って、結果自分の人生に置き換えても幸せなことだと思うんです。
そんなに世の中うじゃうじゃ悪いやつっていないし私は好きだなって思った人には躊躇なくすぐ「好き」って伝えるようにしてるんですけど、その時たぶん私の心も豊かになってる感覚あるんです。
反対に「嫌い」や拒否反応を口にするときってすごい心も顔もブスだと思うんだよね。
言葉や腕力の暴力は「強さ」じゃない「弱さ」だ。
本当の意味での「強さ」は、言葉や腕力の暴力とちがって、決して目には見えないからこそ、存在しないように感じるかもしれないけど、あるところにはしっかりある。
真の強さを正しく使える人は偉大だ。

そして劇中、もっとも好きだったひとコマがこちら、

オギーがひとり、海を見つめながらほろっと涙を流しながら立っている。
そこに後ろから友達がやってきてなに泣いてんだよ〜って感じのね、そんなシーンなんですが。
特に言葉が多くあるシーンではないんです。
綺麗な夕日が海にうつっていて、映ってる子供たちも逆光で見えづらい。
セリフも少ないわ人物も映らないわひきの画だわで、控えめなんだけど
夕日がめちゃくちゃ綺麗なんだ。
夕日って毎日あるわけだから嫌ほど見てきたはずだけど
「あぁ、夕日ってこんな綺麗だったっけ?」っていう。
きっとオギーにとっては、今までの人生で見た夕日の中で一番綺麗な夕日だったんだよ。
これまではいじめられたり陰口言われてきたし、毎日現実からエスケープして脳内で大好きなスターウォーズのチューバッカと友達になったり妄想してきた日々だった。
だけど今日からは違う。
みんな心から仲間でいてくれてるんだってわかることができた記念日に見た夕日だった。
だからきっとオギーの感情のフィルターを通してみた夕日の描写なのかもしれない。
だからすごく綺麗で、ハンパなくぐっとくるんだよね。