指先への違和感
※そんなにおどろおどろしく書くつもりはないのですが、ご遺体の変化について言及するので一応【閲覧注意】としております。
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「おくり化粧の仕事の中でなにがつらいか?」と問われたとき。
まぁなかなかひとつにしぼるのは難しいのですが、現場での手技においてわたしがぱっとおもいつくのは「におい」と「感触」かなぁとおもいます。
いわば「嗅覚」と「触覚」ですね。
今日はその「触覚」側のおはなしです。
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おそらく亡くなってから1週間くらい経つのではないかとおもわれる故人さま。
ドライアイスは当たっていたものの、やはり全身を網羅はしきれずかなり肌が弱っており、軽くふれるだけで皮膚がずるっと剥けてしまう「スキンスリップ」が起こりやすくなっている状態でした。
大きく開いていた口元を閉じ、お着物への着せ替えを終え、足袋・脚絆・手甲などを付けていく旅支度に差し掛かったところ。
脚絆の紐を交差させるために片足を持ち上げたた際、指先に違和感が。
ぬるっと皮膚が動くのが、2枚重ねのグローブの上からでも感じられました。
これがほんとになかなか耐え難いというか、つらいです。
指先の感覚ってけっこう残るのです。
故人さまの容態のこととか、ご遺族さまのお気持ちとか、もっと他に考えることがあるのは百も承知のつもりですが、「やっぱり全然平気じゃない、、、」って改めて実感しました。
現場で時々「常人だとおもわれていないんじゃないか?」と感じてしまうような対応をされることがあるのです。
そりゃもしかしてこの仕事をしていない方からすればいろんな意味で「普通はできない」って思うのかもしれないけど、そしてわたしの感覚はもうすでにどこか麻痺しているのかもしれないけど、なんでもかんでも平気なわけじゃないです。
なんてことを、どこにむかってつぶやいているのかわからなくなりながらもかんがえていたのでかいてみました。
そんな夜でした。
また、お目にかかれますように。
おくり化粧師 Kao Tan
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