箸が転んでもおかしい年頃
ちょっと早めに来てほしいと担当さまより電話があり先の現場から直接式場へと急ぐと、となりの和室からころころと若々しい声が聞こえてくる。
「きょうの現場はなんだか明るいですね」とおもわず担当さまに言いたくなってしまうほど、その響きはこの空間とは結びつき辛いものだった。
制服を着た女の子が3人。
そして親御さんたち。
以前はわたしもあちら側(学生側)の方が近いとおもっていたが、もうたぶん親御さん側の方が歳が近い。
施行中はあまりはっきりと目を合わせることはしないのだが、式の初めはまだ小声での会話が時折聞こえていた。
それがいつの間にか涙にかわっていたようにおもう。
断片も知らない。
どんな生活で、どんな関係なのか。
どれくらいの頻度で会っていたのか。
なんにも知らないけれど、誠に勝手ながら立ち会ってもらえてよかったな。とおもう。
わたしのエゴに過ぎないからこれはここだけにしか書けないけれど。
橋渡し役。
そんな風に形容していただいた誰かの言葉が頭にうかんだ。
今日も3件のおくり化粧にたずさわらせていただきました。
「どうぞ、いいところにいってくださいね。」
そうやって最期に手を合わせる。
また、お目にかかれますように。
おくり化粧師 Kao Tan
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