とまっていた時計が動き出す時

2019年2月25日 16:09

11年振りに会う彼は頬を上気させながらキラキラした瞳で｢久しぶりに会ってこんな声がガラガラでなんなんだけど｣と前置きをしながら、さっきのライブで起こった奇跡のような出来事について語り始めた。

高校の同級生でバンドと野球、2つの部活が一緒だったので仲良くしてもらってたのだけど、2年の2学期で急にわたしが転校となってしまい、以来ほとんど連絡も取れずだったのがかろうじてFBでつながりお会いできることとなった。

学生の頃を思うと確実に三北での時間が1番たのしかったのだけど、それ以降の日々が怒涛すぎて津波のようにいろんなものをかっさらっていったのでわたしの時間は当時のままでとまってしまっていた。
それが今回、やっと動き出した気がしてほんとうにうれしい。

かつてのクラスメイトのその後の話や先生とのやり取り、お互いのことについてなど確実に時を重ねながらも過去から地続きでつながっている感覚をもてたことは上京してから初めてで、彼には本当に感謝しかない。ありがとう～(泣)

もうひとつ、ずっとひとつのものごとを一途に追ってきた人のまっすぐな熱みたいなものを感じられたのもよかった。
素敵だなぁと素直におもう。

好きなことをやっている人の横顔や好きなことについて熱心に語る人の横顔はみあきることがない。
15年間ずっと変わらず好きでいるし、ジャンヌの曲は全部好き！って言いきれるところなんかおもわず尊敬したくなる。

この間(今もまだ継続しているんだろうけど)QUEENの映画『ボヘミアン・ラプソディ』が話題を席巻した際も、ずっとファンだった方々の言葉やSNSの投稿をみているだけでなんだかしあわせな気持ちになったもの。

つい比較してしまいがちなんだけど、わたしはけっこう没頭のスパンが短いので、好きになったらゴーっと掘り進むけど一定期間が経つと落ち着いて、また次の対象に興味が移りがちなのだ。当時好きだったものや人はもちろん今も好きなんだけど、15年もずっと一番好きでいるっていうものはぱっとおもいつかない。

だからそうやってまっすぐに大切なものを抱き続けられる人に憧れるんだなぁって実感した。

とまっていた時計が動き出して、当時の想いもまた目を覚ましたみたい。
ぱっといくつかの光景が浮かんできたのだけど、これらがどうか正夢でありますように！と心の中でひそかに願ったこと、ここにだけは書いておきます。

また、お目にかかれますように。

Kao Tan

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