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コミュ力卍解(ちなみに私は海派で醤油派)

拙者、新しいコミュニティで新しい友人を作ることに苦手意識がある侍と申す。

ママ友ーーーーーーーーー
月齢がたまたま近い子供を持つという理由で集まる母親たち。ただ出産時期が近しいという以外に共通点は乏しく、本人の年齢や職種などバックグラウンドは多岐に渡る。そのためそれぞれの特性がわかりにくく、特に育児というコアな部分の価値観が大きく関わる事象について、お互いどこに地雷が埋まっているかわからず、なかなか一歩先に進めることが難しい関係性である。

しかし日々遭遇する育児の悩みや不安を共有したり、役立つ情報を交換できたりと謂わば戦友にもなりうる貴重な関係性ゆえ、自分のためにも子のためにも母親の踏み出す勇気が試されているーーーーーー。

初対面の人との会話に緊張していつも1人パニックになる私としてはママ友とのコミュニケーションは結構課題。私1人がぼっちになるのはまだいいけど、子供にも影響があると考えると踏ん張らなければいけないな〜うわあ〜〜。というか、「友人になった人に偶然同じ月齢の子供がいた」みたいな関係性求む〜〜。

そんな中私の思い込みを揺るがす出来事が起きた。
話はめちゃくちゃ変わるが、私はパーソナルトレーニングに4年通っている。毎週1時間のトレーニングをずっと同じトレーナーさんにお願いしていて、4年の月日の間にそのトレーナーさんは新卒から中堅に成長したし、私は結婚妊娠出産した。
それだけの期間、文字通り私の体を支えてくれたトレーナーさんだが、私は彼のことを1つも知らないし、彼も私について多くは知らないと思う。
トレーニングに関することはかなり前のめりに話してくれるのだが、雑談になると途端にギアが落ちるため休憩時間2人して無言になることもしばしばある。

先日もそんな沈黙をやり過ごしていた時、彼がふと私に質問してきた。「◯◯さんって海派ですか?山派ですか?」

マチアプのやり取りでこの質問されたら即ブロックでもおかしくないくらい、空虚すぎて向こう側が透けて見えるような問い。質問の答えに興味があるわけではなく、ただ隙間を埋めるためだけの問い。人によっては敬意に欠けると感じるかもしれない、薄っぺらい問い。

ただこの時私は雷に打たれたような衝撃を受けた。4年間一緒に筋肉を育ててきた仲にこの質問をぶつけてくるフリーダムさ。そう、コミュニケーションはもっと自由で良いはず。それをあれこれ後からマナーという名のルール付けをして、窮屈にしているのは私たち。

海派か山派か聞いてきた時の彼のまっすぐな目。この揺るぎなさと掴みどころのない自由さがあれば苦手意識のあるママ友作りも突破できるはず。

コミュニケーションはこうあるべき、という私の勝手な縛りを解きほぐしてくれた些細だが衝撃的な体験だった。

私も自由に行かせてもらいます。まずは聞かせてください、「目玉焼きは醤油?ソース?」



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