【ザンリーグ】繊細なる九蓮宝燈とレジスタンス【企業リーグ観戦記(8/28)】
三麻で役満なんて大して珍しくはないのですが、それは四暗刻や国士無双が頻発するからです
ザンリーグで役満が出たくらいでは何も驚きはしないのですが、九蓮宝燈が出たとなれば話は別です
びっくりぎょうてん
今日は九蓮手順とそれに立ち向かった選手について振り返っていきます
九蓮配牌
南一局、22000点持ちでラス目の西家マスター選手
チンイツ配牌かと思いきや、2巡目に🀘を引いて以下の形
ここから赤🀝切り
九蓮にしろ清一色にしろ、後々最も危険になる🀝を切るしかなさそうです
河は派手になりますが、🀝を手に留めたところで殆どの筒子はツモ切りしますし、最終的に🀝を切るのですから目立つのが多少早いか遅いかの違いしかありません
また、🀝を使ったアガリも索子で4ブロックはっきり見えているここからは狙うことはないでしょう
混一手であれば混一は3飜で赤🀝は1飜なので混一を見切って🀝を残すことはよくありますが、清一色手となれば6飜と1飜の差でかなり大差になります
繊細なる字牌の切り順
そして🀑を引いて純正九蓮宝燈二向聴です
九蓮に不要な牌は🀂🀃🀆
🀂は自風で🀆と🀃は全体の役牌です
よく見ると🀂だけ切りやすいように利き手側の端っこに寄せられていますね
ただ、🀂は切りやすいように置いてあるというより、残す優先度が高い🀂を端に置くことでちょっとした理牌対策な気がします
余談はさておき、ここは1切れの🀃切り
🀆も同様に1切れで🀆とも悩む素振りを見せていました
なぜ🀃を選んだのでしょうか
これは🀆と🀃には微差ですが重なりやすさの差がありますね
まず、東家によって🀆は1巡目で切られています
東家によって🀃は2巡目で切られています
南家の配牌に🀆🀃とあったとして、1巡目に🀆を持ってきた場合には🀆🀆🀃となり、特になにもありません
1巡目に🀃を持ってきた場合は🀆🀃🀃となり、東家の🀃をポンできる形になっています
しかし、現実にはポンされていません
前者は全く否定されないのに対して後者のパターンが若干減る(スルーされるケースもあるので否定はできない)されることから、南家は🀃を持っていない確率が🀆を持っていない確率よりごくわずかに高いです
つまり、鳴かれる可能性のより高い牌は🀆になります
チンイツでアガリたい手牌ですから、役牌は鳴かれないに越したことはありません
鳴かれにくい牌をまだ鳴かれにくいうちに切ってしまいましょう
鳴かれやすい牌は残すことで放銃率も高まりますが他家の手牌進行を遅らせることで自分の和了率上昇にもつながります
あまりにも微差過ぎるのでわたしは1切れ同士ならまず切りやすいところに置いてある方から切りますが、🀆と🀃で悩むということはきっとそういうことなのでしょう
字牌切りというただの手なりではあっても、役満級の手なりは間違えたときの損失が大きめですから、繊細にいきましょう
🀄をツモって
🀂切り
🀄は4巡目に切られています
南家のあーく選手は🀠手出し🀗🀠🀞ツモ切りというわりと速度感のある捨て牌ですが、🀄は鳴いていませんね
もちろんスルーしていることも多々ありますが、進行度合いからしても🀄の安全度はかなり高くなっています
それに対して、🀂はどうでしょうか
鳴かれることこそなさそうな牌ですが、東家の平澤選手も🀕を手出しして全員の字牌処理が終わったことが確認できているのに、全く切られていない自風牌というのはそれなりに違和感のある牌となっています
もちろん全山の可能性もありますが、誰かに対子で入っているケースもそれなりに多くなってきていますね
ということで、危険度が高いと判断して🀂切り
1切れの役牌と生牌の自風牌を処理する判断ラインが見えてきた気がします
実況の高田まさひろ氏が「マスターは字牌の切り順しか考えてない」と言っていたので、多分そういうことだと思います
ちなみに、🀂はあーく選手に対子でした
🀅をツモって
🀅切り
直近に切られた牌ほど鳴かれにくいです
🀔を引いて九蓮一向聴です
🀄切り
後に切られた牌ほど(略)
🀃をツモって
🀆切り
これは🀃が2切れにつき安牌としての強度が非常に強いので、これは安全度を優先しました
そして、いよいよ
🀖をツモって
九蓮宝燈聴牌
🀐で32000の10枚です
一応清一色でもあるので、🀔で上がると清一色ドラ3の倍満です
倍満0枚と役満10枚は素点差が66000点分くらいあるので🀐でアガリたいですね
次に持ってくる索子は?
🀖
この🀖はツモ切り
🀔切ると🀐🀕🀘に待ちが増えますが、安目の待ちを増やしてどうすんねんという話です
ついでに🀔の方が危険です
ちなみに、以前の記事に関連して言うと、この🀖の空切りをすると明らかに清一色に一手進んだようにみえるので、空切りはしない方が良いですね
ツモ切りなら他家から見てよくわからないままです
さて、そんな実況席にも緊張が走る中、(九蓮を相手にしているとは知らず)に戦っているプレイヤーがいます
七対にて抵抗
当然他家だって自分のために手牌を進めます
南家のトップ目あーく選手
🀒か🀙を切れば七対子で聴牌です
🀒を切ると七対子ドラ2花2のダマ跳満ですので、🀒を切るのが一般的でしょう
西家のマスター選手が2巡目🀝からの字牌ぱらぱら手出しで清一色模様なのに対して、東家の平澤選手は🀕🀗手出しのあとに🀕ツモ切ったばかりです
打ちだす🀒は今のうちならかなり安全です
しかし、あーく選手は🀙切りダマを選択
ダマでも4飜で満貫(符計算なしルール)あるものの、染め手とかぶる待ちはかなり不満です
では、なぜわざわざ悪い方の待ちでダマにしたのでしょうか
それは手替わり意識に他ありませんね
場を見ると🀀と🀂がそれぞれ1枚切れです
親番で真っすぐ打っている平澤選手にあるケースも、清一色手順に見えるマスターにも抱えられているケースは少なさそうです
であれば、自分で引いて3枚目とすることもありえます
🀒を残しておけば、🀀🀂を暗刻にした際に🀐🀓の両面待ちという強力な待ちを作ることができます
しかも一盃口の役があるため状況次第で立直かダマかも選べます
🀒は弱い待ちですが、🀙もどうせドラで打たれにくいのであれば手替わりのある方といった判断でしょう
🀐引いて
これは🀒切り
🀀🀂の残り見た目2枚待ちよりは🀐の残り見た目3枚の方がマシですね
🀐🀓が最終形にこそなりませんでした
結局
七対チョイスが見事に裏目になりました
抵抗失敗です
親番につき抵抗
東家平澤元気選手は2着目の親番につきまっすぐ手牌を進めていきます
🀙引いて素直に一向聴に取る🀕切り
ドラ3なので、親立直で十分な立直になりますね
🀙🀚の辺張搭子は弱い形でこそありますが、巡目も6巡目と余裕はなく、更に言うと南家のあーく選手も西家のマスター選手も捨て牌に数牌が散らばっており進行度がわかりにくいです
徒に速度を落とすべきではなさそうです
そして巡目は進んで16巡目
一向聴から全く動いていません!!
索子が裏目りまくっておりかなり厳しい様相です
そして、対面に座る西家の清一色模様のマスター選手は🀖を2連続でツモ切りです
チンイツで索子が余ったとみるなら、この🀒は相当押せません
ましてや自分は花2赤2表1とはいえど辺🀛という愚形残りの一向聴です
ただ、ここは🀒切り
ダマ清一色に刺さったところで失点は精々12000から16000程度です
🀖ツモ切りで聴牌かもわからない相手に親番で降りている場合ではないという判断でしょう
ツモられても失点は大きいですからね
思えば1戦目の登板でも親番で一向聴から立直にたいして押しまくっていたので、親番の一向聴はオリないというスタンスを貫いているようです
🀒は通ったものの、結局聴牌には至らず抵抗失敗
さて、抵抗していた二人もうまくいかないとなれば、残る役者は一人しかいません
炸裂
九蓮宝燈ツモアガリです
12000/20000の5枚
そして対局者たちはこの表情
笑顔のマスター選手、顔を顰めるあーく選手、感嘆する平澤選手
本当にいい画面ですね
あとがき
最後のスクリーンショットが撮れたので、これは全員について触れなければということで、九蓮宝燈以外の手牌についても触れてみました
九蓮宝燈の記事なのに字牌の切り順だけ取り扱う地味~な記事になるところでしたが、すこし読み応えのあるものになったかなとも思います
それでは今回の記事はここまでです
また明日の記事でお会いしましょう😉
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