【ザンリーグ】2022年度、最後に笑ったのは【企業リーグ観戦記(11/9)】
水曜に企業リーグの最終戦が放送されましたね
優勝チームはいったいどこになったのでしょうか?
サムネが盛大なネタバレになってますが、放映からしばらく経ちましたのできっと皆さん既にご存じのことでしょう
御存じでない方はこちらからご覧ください
さて、企業リーグの最終戦が始まる前のポイント状況は以下のようになっています
合同会社ThANM(以下ザン)と健康麻雀nimame(以下にまめ)が1枚差につきほぼ着順勝負です
アミューズメントカジノRERAISE(以下リレイズ)は優勝はほぼ無理な位置になっています
しかし、トビラスが-18枚、トビ2着が-12枚なので、二人とばしトップの+30ではラスとは48枚差がつきます
つまり、二人とばしのトップなら着順だけで2位浮上が可能で、それに複数枚のチップ移動が絡めば優勝もごくわずかにあり得ます
淡々と着順を狙いにいく2チームと大逆転を見据えた1チームの混沌としたフィナーレが幕を開けます
各チームのエースが登場ということで、その強者たる選択にじっくり注目したいと思います
東一局
桐生選手 攻撃の中にある守備の手組
東一局、東家に座る親番のザン桐生選手
🀂を重ねてブロックオーバー
🀓切って2対子形の6ブロックに受けることもできますが、まだ2巡目で好形変化は追いたいところ
🀖🀘の搭子は上家の🀗切りから1枚切れではあるものの、上家の手牌に🀗が無いことがほぼ確定するため残しておきたいです
となると、切るべきはどちらかの対子でしょうか
桐生選手は🀂切りとします
🀂は西家にとっては役牌であり、東家にとっても混一に利用できる牌です
🀇の方が他家にとってより不要ですので手牌に残しておくと安牌としても機能します
早い立直に迂回を迫られることがしょっちゅうある三麻では、ブロックに安牌を内蔵しておくことは攻守ともに大切です
ではドラの🀁はどうするか
いざと言うときの安牌候補には🀇や🀘がありますので無理して🀂を持つほどではありません
自分の手が花牌なしで赤も1枚しかない手とあらば、ドラの🀁は使えるようにしたいところです
それでもここはすっと🀁切り
捨て牌をよく見ると南家のマスター選手は🀙🀚の辺張落としです
弱いブロックを払っている間の余剰牌には強浮き牌である🀁が1枚浮いていることがしばしばあります
重ねられる前に切りましょう
また、捨て牌を更によく見ると西家のワケベ選手は🀗🀐切りの後に🀆🀅手出しです
混一や対子手を意識した進行に見えるので、ドラで字牌な🀁が1枚浮いていることがしばしばあります
重ねられる前に切りましょう
細かいながらも、素晴らしい守備意識ですね
両面🀛🀜に🀚引いて打🀂
🀓切って形を決めることはまだせず、両面変化も追っていくあくまで攻撃的な手組です
この残っている🀖🀘の嵌張搭子ですが、🀓にくっついた際には🀖から切ることで🀘が南家の現物かつ西家にも初打🀗の外側とかなり安全度が高いです
好形変化した後に切っていくことになるブロックが安牌を内包していると目いっぱい持ちやすいですね
攻撃的でありつつも、守備も見据えている一打だと言えるでしょう
マスター選手 対子最適バランスの手組
順調に手を進めているザンの桐生選手ですが、優勝争いをしているにまめのマスター選手も手牌は順調に育っています
この一向聴から何を切るか
マスター選手は七対子をあまり好まない選手ということで、直感的には🀒を切りそうに見えます
🀒切りのメリットは面子手にする上で効率が最も良いことですね
3対子形をほぐして両面を固定します
🀒切りのデメリットは七対子がなくなることです
ここでマスター選手は🀡切りとします
それもそのはず、愚形残りのドラ1の手としては面子手に拘る理由がありません
好形確定ならアガるために面子手にしますし、打点があるなら待ちの少ない七対子という手役をつける必要もありません
しかし、どうせ愚形になり得るなら七対子のデメリットである待ちが少ないはあまり関係ありませんし、今の打点がないなら2飜の価値がとても高いです
🀡切りのロスは🀠1種4枚だけで、七対子にすると🀑🀔🀗の縦引きの分3種9枚とちょっとお得です
また、面子手になった際にも🀡を切って🀐🀓が先に埋まった場合には🀟と🀀の双碰待ちが強力になります
一般的に🀟🀟🀡の🀡は立直まで持っていることが多いです
🀘🀜🀄🀡🀒(リーチ)といった切り順では🀟が安牌かのように切られることも多々ありますね
🀘🀜🀄🀒🀡(リーチ)の切り順では🀡周りの愚形が警戒されてしまいますね
面子手としても対子手としてもアガることを意識した最適なバランスの手組でした
ワケベ選手 最終戦ならではの手組
さて、二人が一向聴になる中、実は一足先に一向聴になっていた選手がいました
リレイズのワケベ選手です
実は3巡目に3対子形の聴牌
このあと5巡目にマスター選手から切られた🀄をスルーしてポンテンに取りませんでした
形の上ではまず鳴くべき牌です
3対子形かつ残りの対子が🀡🀇で好形変化することがありません
順子も筒子と索子で1つずつで連続形ではないので変化も難しい上に端に寄っているので好形変化しにくいです
それでもスルーしたのはチーム状況がそうさせるのでしょう
チーム2位になるにはチップが欲しいです
ザンリーグルールはチップが一発裏ドラ役満四花しかないので、副露するというのはチップを得る機会を失ってしまいます
最終戦ならではの良いスルーでしょう
そして、この門前の一向聴から打🀚
対子が5つでもあろうものならマスター選手のように七対子とのバランスを取った手組もできますが、対子4つしかない今の手だとどの対子を落とすかの選択にしかなりません
こういった対子落としをしていく際の判断基準として、未来の浮き牌の価値を考えるということがあります
例えば、🀇を対子落としをした際に、残った🀇は安全度が高くなりますので安牌としての価値が🀇に付与されます
また、🀚対子を残しておくことで🀙🀛🀜🀞引きによって対子に両面フォローをつけることができ、🀡を残しておけば🀟🀠でも対子フォローをつけることができます
後に引いてくる筒子の浮き牌に愚形フォロー牌としての価値が生まれます
更に今回はチップを増やしたいということから立直してのツモアガリを狙いたいです
ツモりたいなら枚数の少ない対子は不利ですね
点棒は親番で稼ぐとして、子のうちはチップを稼ぎたいです
それでも、ここは見た目枚数を大事にした打🀚です
🀚🀄はそれぞれ既に1枚切られており、どちらも最大1枚しか山にありません
🀄は役になるので残し、🀚の方を選びました
また、么九牌の対子を3種残すことで、聴牌した際の最終形を么九牌の双碰にすることができます
更に筒子の4連形からの好形変化をこの瞬間に狙いつつ、変化した際には対子を打っていくプランも取れます
これによって筒子の変化を待っている最中に他家から立直が来たとしても、🀚が切れなくなってしまうということを防いで🀇や🀄で迂回しつつ筒子を引き入れて追っかけ立直する未来が描けます
ワケベ選手、東家の桐生選手から打たれた2枚目の🀄もスルーします
赤🀝を重ねて引いて打点も形も良い形になっているので、立直したいのは山々とはいえ、2枚目ならばしぶしぶポンして満貫の加点をして親番を引き寄せたいところです
それでもやはり門前に拘ります
こだわりの結果は
🀞引いて立直としました
🀄が2枚切れているので、アガリ牌は🀇の2枚しかありません
折角門前に拘って立直をしたというのに、打点は満貫で副露時と変わりませんし、和了率がかなり低いです
和了したとしてもかなりロンになりそうな待ちですので、チップのうまみも少なめです
門前に拘るのであれば中ぶくれの🀝にくっつけに行くことで立直平和ドラ4の跳満が狙えるようになります
なんなら立直オープンツモ平和ドラ4の倍満まで狙ってもいいかもしれません
そういった上振れの道を🀄の対子落としで安全に狙えるにも関わらず、🀇待ち立直に踏み切ります
その心は河を見ると少し想像ができます
河に🀏がありませんね?
🀇で和了した後の裏3チャンスが残っています
万が一🀇をツモって裏3にでもなった日には3枚オールで+6枚
点数とは関係なく9枚差を上位チームと縮めることができます
その結果は?
🀓を引いてきた桐生選手
🀇の対子落としで比較的安全に両面両面の平和ドラ5一向聴にできます
当然🀇切りですね
裏こそ乗らなかったもののワケベ選手の満貫のアガリです
このままアガリ続けて大逆転あるかとも思わせてくれます
東二局
桐生選手 両嵌両嵌の選択
西家の桐生選手の手牌が非常に難しいことになっています
一向聴にして索子の両嵌と筒子の両嵌の選択です
情報となりそうなのは、
①東家マスター選手が🀞🀟の両面を手出し
②西家ワケベ選手の河に🀒がある
くらいでしょうか
桐生選手は打🀘とします
これは🀔の受入れが消えてしまいます
しかし🀔引きで聴牌ができなくなるものの、🀔を引いてしまった際には🀑切りで索子の三面張が残ります
裏目であっても三面張ならば許せますね
いったいどこが先に埋まるでしょうか
埋まったのは赤🀝でした
🀚切って嵌🀒待ちの立直です
子の桐生選手の立直に対して、親番マスター選手は大人しくしていられるのでしょうか?
もちろん黙っているわけにはいきませんね
マスター選手 黙っていられない
と思いきや
既にダマテンをしていました
平和ドラ3の親満貫の聴牌です
満貫の両面聴牌というと立直して跳満にしていきたいところですが、今回は南家のワケベ選手も西家の桐生選手も🀠を切っています
リーチさえしなければ🀠を打ってくれそうな人が二人もいるのであれば、ダマにして満貫を拾いにいってしまいましょう
それでも立直したくなる手だと思うのですが、チーム事情まで込みで考えるとまた話が変わってきます
この🀠を桐生選手から直撃できた場合には点差が24000点開くので32000点差になります
桐生選手は残りの親番が1回しかないということもあり、差を広げておくだけでかなり優勝争いで優位に立てます
ということで、この🀐もしれっと押していきます
桐生選手の河には数牌が🀠🀘🀚しかないということもあり、ワケベ選手がオリて🀠であったり中筋🀝を切ってくれることにも期待できます
ワケベ選手から上がって桐生選手の立直をつぶすことができればとても大きいです
しかし、🀝🀠は打たれることはないまま、🀖をツモってきます
そしてなんと🀐切ってオープン立直です
通常立直ではなく、わざわざ開けて行きました
リーチ平和オープンドラ3の跳満からの高打点です
ワケベ選手から🀠はまだ打たれませんが端っこの牌を切っているだけで🀠が出ないと決まったわけではありません
それでも桐生選手との捲り合いでどうせ押していくことになるなら直撃跳満条件の方が有利だと判断したのでしょう
さて、この立直を受けて困ってしまったワケベ選手
ワケベ選手 誰もが困る
以下の手牌でじっくり考えこんでしまいます
しかし、なんで悩んでるのか見えません
カメラを忘れて前のめりになってしまうくらいに悩んでいることは伝わってきます
カメラのスイッチャーさんも困ってしまい、全体図に画面を切り替えます
何かしらの一言交わして笑っているマスター選手と桐生選手
最終戦で着を争うライバルでこそありますが、その緊張感も楽しさに変えてしまえる環境というのは良いものですね
さて、悩みに悩んだワケベ選手は一体どうしたかというと
🀔切って嵌🀑オープンリーチと行きました
3人目なので立直するなら当然オープンですね
まず、嵌🀑と嵌🀓に選択があります
🀑はマスター選手の河に2枚、手に1枚の最大1枚
🀓はマスター選手の河に1枚、手に2枚の最大1枚
どちらも枚数が同じなら赤の使える🀓待ちかと思いきや、🀑待ちとしました
🀓が3枚見えていることに加えて、自分の目から🀒も3枚見えていることから桐生選手が🀑を使えないと判断した模様です
最大残り1枚で2軒立直相手に突っ込むのは無謀も良いところですが、これが最終戦ならではともいえるでしょう
上振れを引きにいかないといけないのです
このめくり合いはどうなったかというと
ワケベ選手の手から🀝がこぼれおちます
マスター選手の立直オープン平和ドラ5の倍満のアガリとなりました
決着
親倍満で大きくリードしたにまめのマスター選手
ワケベ選手もオープン立直戦略で戦い、桐生選手もワケベ選手をとばさないよう気を遣いながら戦っていましたが、一人だけのびのび打てるマスター選手には誰も追いつけません
南一局、強かにポンテンを入れていたマスター選手
🀛をツモ
マスター選手が中ドラ4の満貫をツモってワケベ選手のトビで終了
にまめチームがトップになりました
ザンとにまめの着順勝負はにまめの勝ちです
ということは?
企業リーグ2022は健康麻雀にまめの優勝で幕を下ろします
おめでとうございます!
あとがき
これにて観戦記はひと段落となりました
最初の1週間くらいで力つきるかと思いきや、意外と続きましたね
思えばこのnoteも2年近く続いているので、やってみるとなんとかなるものなのかもしれません
さて、2022年の放映はこれにておしまいですが、なんと来年も無事企業リーグは開催されるようです
嬉しいですね
今年の観戦記もここまでやり切ったのですから、来年も続けていこうと思います
続ける場所はもしかすると、このnoteではないかもしれませんけどね
それでは今回の記事はここまでです
また明日の記事でお会いしましょう😉
観戦記はまた来年!
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