アイヌの伝統楽器ムックリ③
一度は「寒かったから」と結論付けて取りやめていた研究
実際のところ、なぜ寒いとムックリしか楽器がないのか?という裏付けとなる説明がほとんどできていない
インパクトとして「寒かったから」と一言に集約していたという点もあるが、これからはその裏付けについてもしっかりと考察したい
北海道は寒い
日本人であれば当たり前にそう思っている
実際に冬は寒い
アイヌ民族の歴史は、我々シサム(アイヌ側から見た本土日本人の呼び方)の歴史とは違う我々の歴史では、縄文時代の後に弥生時代、古墳時代、飛鳥時代と続くがアイヌの歴史では、縄文時代の後に続縄文時代、擦文時代、アイヌ文化と続いていく
(なぜ、アイヌ文化はアイヌ時代ではないのだろうか)
本土の鎌倉時代と同時期くらいからアイヌ文化は始まり、明治期まで続く
縄文時代の延長のような生活だったという
そんなに寒いところで何百年も縄文時代に近い生活を続けていれば、制約はたくさんあるはずである
ここからは僕の独断と偏見である
もし、新政府が北海道の開拓を行っていなければ、アイヌは今もまだ同じ生活を続けていたのではないだろうか
自然を愛し、自然を受け入れた生活様式は文明の発展というものを必要としなかったのだろう
北海道はざっくり北緯45度前後となる
北緯45度前後にある他の国々を見てみよう
知っている国で言えば、フランス、イタリア、スペイン、モンゴル、アメリカといったあたりも北緯45度前後には入っている
では、この地域で音楽が発展していないのかと言えば、もちろんそんなことはない
ましてやそれよりも北に位置するヨーロッパでクラシック音楽は生まれている
「寒かったから」という結論付けをするには無理があることがわかる
ただし、北緯45度圏の国で唯一の島であることは音楽が発展しない理由においては大きな理由の一つにはなるだろう