見出し画像

格闘するものに〇 (三浦しをん) (2023,6,9)

こんばんは。梅雨を何とか乗り切ろうと奮闘するももこです。
今週読んだ一冊は、『格闘する者に〇』著:三浦しをん

心に残った言葉↓

誰にも何も干渉されず、好きなことを好きなだけ自分のペースでやることができる大学生活というのが、私の性には合っていて、それもこの一年で終わりなのかと思うと、なんとも言えぬ寂しさがある。

格闘するものに〇

「ニキちゃん、私は生物学的に『男』じゃないし、今まで何も考えずに自分と違った性別の人を好きになってきたから、ニキちゃんの悩みに答え出せないけど、話を聞くことはできるよ」
うまく伝えられないけれど、一人で考え込んでほしくなくて、私はいった。それに、これは考え込むことではないのだ。好きになったら、相手がなんだろうとそれでいいし、たとえ二木君が性的に誰のことも愛せなくても、私たちは友人として愛し合っている。

格闘するものに〇


友達と別れて渋谷のスクランブル交差点を渡るときの気分とも似ている。どんなに人がたくさんいても、さよならを言い合えるのはほんの少しの人とだけなのだなあと実感するときだ。

格闘するものに〇


この本を読んだ感想↓

最近読んだ中で断トツ1番に面白かった!文の上手さ、主人公の設定などすべてが面白く、2日で読んでしまった。と同時に、24歳にしてこの小説(処女作)を書いてしまった三浦さんにとても嫉妬した。
私は中学から三浦しをんさんの本が大好きなのだが、実体験を基にしたといわれるこのデビュー作をなぜ読まなかったのだと後悔する。もっとはやく読めばよかった。なんといっても、誰もが経験する「就活」をテーマにするところの共感性や、二木君というホモの友達がいること。だけどそのジェンダーの垣根を越えて彼を友達だと愛する主人公の裏表のなさ。
出版社に就職したいからと就活に奮闘する主人公だが、その周りの友達の呑気さがとても面白い。学食のテラス?で話すことが多い3人組は、そのテラスがあまざらしと呼ばれていることの記述もクスッと笑ってしまった。
出勤中電車の中でクスクス笑いながら読んでいて、周りから見たら不審者だったと思う。それくらい、早く本を開きたくてたまらなかった。
久しぶりに三浦しをんさんの本を読んで、やっぱり一番好きな作家さんだなと感じた。彼女のエッセイはあまり読んだことないから、次はエッセイを読んでいきたいと思う。
人生やりたいことも、読みたい本も多すぎるな。
この小説は私の1番のお気に入りになったかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!