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私たちが大熊で学んだこと
小川いずみ
福島で発電した電気のおかげで日本が発展してきたという事実を強く自覚しました。その恩恵を私も受けていると考えると、世界で起こるどんなことも私と何かしらの形で関係があるのだと学びました。
この経験で、何かを知ることは絶対無駄にはならないと思えるようになりました。今回みたく、福島と自分のつながりを知って自分に何ができるだろうと考えるようになったように、自分の立ち居振る舞い方や考え方の選択肢が広がると気づいたからです。
木田まこと
映像で見るのと実際にそこに行くのとは全く違う、ということです。私は高専の授業で東日本大震災の映像を沢山見てきましたが、当時は幼く震災の記憶が一切ない私にはどうしても遠くの話だとしか思えませんでした。くままち小学校で自分にも見覚えのある物が散乱したままの様子を見て、遠くだったものが目の前にあるその重さに押し潰されそうになりました。分かってはいたけれど写真とは全く違って、ここに来てこの経験ができてよかったと思いました。
千星昌也
僕は初めて大熊に訪れたとき、震災での傷跡が10年以上経った今でもちゃんと残っていること、そしてそれ以上にそれを感じさせないほどの町民の皆さんの取り組みの数々に驚きました。マイナスをゼロにするものというより、どんどんプラスを作っていくように新しい農業、教育、コミュニティの形を模索していて、同時にそれは大熊町民一人ひとりの温かさやつながりあってこそだなと感じました。産業や教育をとっても結局は人と人の関わり合いの中でしか成立しえないのだなと強く感じました。
田辺隆太
日常の大切さです。倒壊したままになっている公民館や教科書などが散乱した教室を見て何気ない日常がいかに貴重なものであるかを強く実感しました。今自分が過ごしている1日は他の誰かにとっては生きたくても生きられなかった1日と同じであると思うと1日1日を大切に噛み締めながら生きて行かなければいけないと思いました。
土明良
”学び”とは少し違うかもしれませんが、大熊に愛着が湧きました。
インターン前にも何度か大熊を訪れたことがありますが、いつも何かしら復興と結び付けて考えてしまっている節がありました。しかし、1週間色々な場所に連れて行ってもらい、遊び、働き、様々な方とお話させていただく中で、大熊の1ファンとして、純粋に大熊のおいしさ・やさしさ・おもしろさを味わうことが大熊を盛り上げることにも繋がるのではないかなと思うようになりました。
豊岡美乃
人と人とのつながりが町を作るということです。1週間のインターンシップ期間中に大熊町のいろいろな場所を訪れて、震災前に大熊で暮らしていて避難指示解除後に再び大熊に戻ってきた人と新しい事業や暮らしを始めようと町外から大熊にやってきた人とが互いを尊重しながら、共に暮らしているという印象を受けました。そして再び町に人と活気を呼び込んで、大熊町のまちづくりを前進させていこうという町民の皆さんの熱量、気概をひしひしと感じました。