【6301】コマツ 2Q決算解説(2024/10/29)
売上、営業利益、経常利益、当期利益
売上高
2025年3月期の第2四半期(2024年4月~9月)のコマツの連結売上高は、前年同期比8.0%増加し1兆9,681億円に達しました。この増加は主に、円安や販売価格の改善が寄与したもので、建設機械・車両、産業機械部門などでの需要が全体の売上拡大を牽引しました。
営業利益
営業利益は3,034億円で、前年同期比2.2%の増加となりましたが、売上高営業利益率は0.9ポイント低下し15.4%に留まりました。この減益要因には、建設機械・車両部門における販売量の減少とコスト増が挙げられます。
経常利益(税引前純利益)
経常利益(税引前純利益)は前年同期比3.3%減少し2,787億円にとどまりました。為替の影響による調整もあり、経常利益は売上成長に対して伸び悩みを見せました。
当期純利益
当社株主に帰属する中間純利益(当期純利益)は2,017億円で、前年同期比1.9%の減少が見られました。収益構造の見直しが進められている中、今後の事業戦略が重要な課題として認識されています。
増減分析
売上の増加要因
売上高は前年同期比で8.0%の増収を達成しましたが、これは主に円安による為替影響と、販売価格の改善がプラスに作用した結果です。北米や中南米、オセアニア市場での売上増が顕著で、特に鉱山機械の販売が好調であったことが全体の成長に寄与しました。営業利益の減益要因
営業利益は2.2%増加したものの、売上高営業利益率は低下しました。これは、販売価格の改善と為替によるプラス効果があった一方で、建設機械の販売構成比が変化したことやコストの増加が減益に繋がったためです。当期利益の減少要因
経常利益および当期純利益の減少には、建設機械部門での販売数量減や、エネルギーコスト、原材料費の上昇が影響しています。コマツの中期経営計画に沿った事業効率化が進行中ですが、短期的なコスト上昇を完全に相殺するには至っていません。
はじめに
コマツは、2024年度第2四半期決算で連結売上高1兆9,681億円、営業利益3,034億円を計上し、前年比で8.0%の増収と2.2%の増益を達成しました。この成長は、主に円安や販売価格の改善によるもので、建設機械・鉱山機械の分野で特に堅調な成績を収めました。本記事では、各セグメントの業績や収益構造の変化、コマツが進める「DANTOTSU Value」戦略の要点を分析し、次世代に向けた成長の可能性を探ります。
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