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悲しいことから逃げていた話①

私はあるバンドのスタッフをしていて、週の半分以上は某事務所やライブハウスにいて、そこには、バンドマン、ライブハウスの人、レーベルの人、バンドスタッフ、いつも誰かしらの友達や知り合いがいました
音楽に囲まれ、たくさんの人と触れ合うこの時間は、私にとって紛れもない青春そのものでした

レーベルメイトで、対バンも多く、ボケたらつっこんでくれて、いつもふざけ合って(?)いた、仲のいい新宿イチどうでもいいバンドがいまして、ある日ライブに行ったんです

その時の対バンが「初恋の嵐」でした

仲のいいその人は元々初恋と知り合いだったようで、ライブ前のなんかのタイミングで3人で話したのでした

この時のことを、主に映像で覚えています
仲いい人・私・西山さんがコの字で向かい合う感じだったこと、フロアの大きい柱とステージの間で話したこと、会場にはほとんど人がいなかったこと、西山さんは背が高かったこと、メガネが印象的だったこと(ハーフリムだったかなぁ?もしくは目立たない色のフレームだった)、「今日出る初恋の嵐の西山くん」と紹介されたこと

当時の私は、共通の知り合いのほとんどの人に、初対面の初手で大きめにボケ倒して反応を伺い、次の話題を考えるというようなことをしていました
若気の・・・というか、それ以外のコミュニケーションの取りかたがわからなかっただけという・・・
つまり、この日もいつもと同じように西山さんにボケ倒したということです

こういう時、ほとんどの人は社交辞令的あるいは戸惑いながら笑ってくれるのです(なんかごめん)

どんなやりとりをしたか思い出せないけれど、西山さんは真顔で何か言ってたと思います
ただ、その反応を受けて私は「この人、冗談が通じる!」と感動したことだけは、はっきりと覚えています笑

転換の時に、
え!このバンドってメロディオンズの人がいるんだ!?と驚きました
メロディオンズは有名バンドで、ガレージとかで観たことがありました
ベースの隅倉さんの立ち位置がどちらのバンドでもフロアから見て左だった(はず)ので、既視感が強かったのかも

ライブの第一印象は、

「(あ、さっきのメガネが歌うんだ!)」

すいません、話した時はギターボーカルとは知らなくて・・・
というのは半分冗談で、

当時は英語の歌詞で歌うバンドが結構いたので、普段から、このバンドは日本語なんだな、こっちのバンドは英語なんだな、とよく思っていました
初恋は日本語で歌っていたので、そこをまず認識をした覚えがありますね

なんというか懐かしい感じがする曲だなぁ、難しい歌(があったはず)の時もさらっと歌ってるなぁ、ギターの音がよく聞こえるぞ(音量もフレーズも)、オルタナっぽいなぁ、ギターロックだなぁ、メロディーメーカーだ!誰が曲作ってるんだろう?

というような印象でした

なんかすごかったので、ライブ後西山さんに、曲は誰が作ってるのか、◯曲目めちゃくちゃいい!すごく好きだとかいろいろ話しました

初恋の嵐は、いい意味で何かとひっかかる要素が多くて
珍しくかなり印象に残ったバンドだったのだなぁと、今改めて感じています

つづく


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