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研究工房 デジタルアカデミズム宣言 3

さて、自律ロボット設計論を能動的推論の視点からまとめるべく研究を始めたわけだが、基本となる動きはLatourのANT理論と英米哲学でプラグマティズムの視点から活発に研究が進めれているポスト現象学の流れである。ラトゥールのANT理論については詳しい入門をnotesに上げたが、ポスト現象学についてはドン・イデ(Don Ihde)という大物がいる。ほとんど翻訳はないのだが、いまコンピュータインタラクションの分野で機械学習深層学習をつかった設計論では必ず言及される大物である。ドイツのプロテスタントの移民の子供で、アメリカの公共教育をへて州立大学にはいり、リベラリズムをつらぬいて研究を続け多くの著作と弟子がいる。哲学と深層学習の連携にかんしては、日本は大陸哲学の研究者の紹介が多くて、それに準拠して仕事をしているエンジニアの研究者が多いが、英米系の経験哲学への挑戦という視点から設計論へのヒントは多くあるので、これから彼の研究を参考にしていきたいと思っている。

今回は次の論文を読んでみた。

Postphenomenology vs Postpositivism : Don Ihde vs Bruno Latour

Fernando Flores


 例によってDeepL で翻訳させて、内容をチェックしながら精読するという方法でおこなったが、小一時間で作業はおわった。この生産性はすごいね。翻訳は載せないが、マテリアリズムという物と身体を研究して文化や社会の仕組みをみていくというアプローチがかなりのスピードで現在進展している。
ラトゥールと日本でも紹介されているメイヤーのマテリアリズムについては次のwikiに詳しい。

だが、英米系のマテリアリズムについては日本での紹介はもう一つだ。僕は博士論文がmaterial cultureだったので、この分野に親しみがあると同時に、ポスト現象学つまりは英語に翻訳されたハイデガーやフッサール、さらにはメルロポンティを解釈学で理解しつつ言語表現ではない研究素材を使っていく、という考え方に非常になじみがあり、また最近のCHIなどで展開される深層学習を前提としたインタラクションデザインの論文ではかならず言及されるIhdeの思想はきちんと理解していきたいと思っている。

これは彼の研究書の説明である
しばらくこのあたりと、能動的推論をこの分野に応用する試みの文献解題を続けてたいと思っている。

ここで紹介した英語論文DeepLでサクッと翻訳すると、大体意味は分かると思う。コツはPDFをwordに読み込んで、文字ファイルにして、それをコピーしてDeepLに入れると翻訳してくる。所々あれっという場所があれば原文が右にあり、マウスを翻訳文におくと、該当の英語の箇所の色が変わる。

単語の選択間違いの他には、直訳では意味がとおらない慣用句的なところとか、複雑な仮定法の構文があれっと思うが、修士の英語論文輪読会のレベルは遙かにこえているクオリティなので、考えたりするには充分なクオリティだとおもう。


おもしろそうな論文をみつけては、どんどんDeepLで翻訳させて、DeepLの左ウィンドウで英語を右ウィンドウで日本語をならべて爆速研究読書をしているが、気がついたことは思考が貧弱で表現がぐだぐだの英語は何を言っているか分からない日本語になる。英語でも何をいっているかDeepLの率直な翻訳では難しい、ということだよね。で、そんな英語の論文のほとんどはぐだぐだの論文なので放っておけばいいが、深い思弁的な文章、どのくらいまで訳せるか、興味のあるところです。英語と日本語を両方見ながら、自分で考えるってのは結構エキサイティングだし、トゥームリンモデルで書いた日本語を試しに英語に訳してみたが、自分で言うのも変だが、うまい訳だった。

基本的に英語テキストをまあ一回で読める位をコピーして、翻訳して、英文と比べて、日本語を直していく、っていうのが勉強法として非常に効率的でかつ正確な気がする。機能としてはあるのだが、日本語訳を追加できないのが不便なんだが、まあそのあたりはWordの一括変換で。そう、ワードをすごくつかうようになったんだよね、こまかな修正が非常に楽。いまの研究テーマは物質的解釈学 (哲学における)言語学的転換をひっくり返す、つまり言語があるのではなくて物質や身体があり、それが思考をきめるって話で、ここに深層学習の仕組みをいれよう、とする立場です。日本でもヨーロッパの若手の哲学者の思想として翻訳はあるのだが、僕が育った知的なアメリカの哲学風土つまりはプラグマティズムとリベラリズムの枠の中で考えていこう、とするものです。当分はこの方向で研究をすすめていき、agbeeとは何かで、自律ロボットの設計論(哲学)を書こうというのが狙いです。

最後の部分のDeepL による英訳。明らかに僕よりうまいな。

Basically, I think it's very efficient and accurate to copy as much of the English text as you can read in one sitting, translate it, compare it to the English text, and correct the Japanese. This is a very efficient and accurate way to study. It does have a function, but it is inconvenient that you can't add a Japanese translation, but you can use Word's batch conversion for that. Yes, I have started to use Word a lot, and it is very easy to make small corrections. My current research theme is material hermeneutics, which is about overturning the linguistic turn (in philosophy), i.e., there is no language, but matter and body, which determine thought. There are translations of the ideas of young European philosophers in Japan, but I would like to think about them within the framework of the American intellectual philosophical climate where I grew up, namely pragmatism and liberalism. For the time being, I will continue my research in this direction, and my aim is to write a design theory (philosophy) of autonomous robots based on what is agbee.

今日はここまで。

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