残月の鎖宮のコンセプトワークについて①

「残月のアレ(仮)」 Vol.0
ゲスト:田村P(アクワイア株式会社)の回より

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「残月の鎖宮」のコンセプトワークについて
喋っている箇所の抜粋、その①です。


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主催:奥田 覚(株式会社カエルパンダ)
司会:白石もへ
ゲスト:田村P(株式会社アクワイア)
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【コンセプトについて】

白石:
本作のためにコンセプトを練り直す際、
意識したところはあります?

奥田:
やるからにはワールドワイドで売上が見込める
ような感じにしたいなぁってのはあって。

おいらがMGS時代に
「ダンジョンRPGを作れるようになれ」って教育受けたのに・・・
当時、社内で「伝統芸能」って言われてたんですけど(笑)

白石:
ここでいう「伝統芸能」ってのは
あんまり前向きじゃないニュアンスですね(笑)

奥田:
(笑)その「伝統芸能」から足洗ったのも・・・
20年前だと需要が国内にしか無くて、
買う人がマニアばっかで
そのお眼鏡にかなうよう作るのが大変なのに
1万本売れるどうかみたいなジャンルに
身を捧げるのが嫌だなぁってのはあったんですよね(笑)

どうせならオッサンよりおねーさんに喜んでもらいたいなぁって。

白石:
わからんでもないけど、
あんまりそれは言わないほうがいい言葉だね(笑)

奥田:
(笑)
まあ20代だったし、若かったから。
当時、会社全体としても
あのジャンルに全力でBETするのは厳しいって
雰囲気はあった
と思います。

白石:
そうだよね。

奥田:
で、
(パイを広げる事を考えた時)
この5年くらいでワールドワイド向けに
コンテンツ作ってリリースする敷居が
劇的に下がった
んすよね。

その前だと
さっきの「ピンチ50連発」も海外でリリースするのに
海外の任天堂さんと別途契約しないといけなかったり、
(ローカライズ作業だけでなく)
リリースするだけでもめちゃくちゃ大変だった。

あと、10年前、海外ではたぶん
ジャンル的にも難しかったと思う
んですよねー。

その後
「Legend_of_Grimrock」
ダンマスの系譜のゲームがリブートしたり、
世界的に下火になってたクラシックなタイプのゲームが
ワールドワイドでいろいろリブートしていて

白石:
アクワイアさんが開発された
ターン制バトルの「オクトパストラベラー」もそうだよね?

奥田:
そうそう、
それでターン制バトルのJRPGが
ワールドワイドで認められたりとか、

ウィズライクとか3DダンジョンRPGってなると、
「世界樹の迷宮」とか、エクスペリエンスさんのとか、日本一さんのとか
ワールドワイドで健闘しているタイトルはあるけど、

さらに機が熟してきてるのが見えて
まだまだ大きい流れにするのが
可能なんじゃないか
みたいなのはあって。

どうせならワールドワイドで
ジャンルのリブートさせたい
って所に重心おいて、
コンセプトを練り直して
アクワイアさんに提案した感じです。

白石:
壮大だよねw
あと、本作はTRPGのからの影響かなりあるよね?

奥田:
ワールドワイド相手するにあたって
JRPG好きじゃない人に注目してもらうには
どうするのが良いかって考えた時に

海外見渡すと、
クラシックなRPGでいうと
RPGの源流の総本山である
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(D&D)のプレイヤーは
めちゃくちゃ多いなぁってところで。

白石:
海外でTRPGといえば「D&D」
だよね

奥田:
そう。
原典のWizも元々「D&D」「AD&D」のバトル部分を抽出して
コンピューターゲームとして再昇華したもの
だし。

リブートするにあたって、
海外の人から見た時に
2000年以降のD&Dとかで標準になっている
d20システムTRPGをデジタルゲーム化した的な建付け
を狙ってるんですよね。

このあたりに関しては
三遊亭楽天さんをゲストにお迎えしての回で
掘り下げたいと思ってます。

謳い文句の「原点に迫る」ってのは、
日本のユーザーさんは「ウィザードリィ」を
思い浮かべるとかも知れないですけど
本当に源流のところを指してるんですよ。

とにかく基本的には過去のプロジェクトからの
ソースなどの流用は一切なくて、
計算式とかも全てD20システムの考え方をベースに
イチから再構築しています。


<コンセプトワークその②へつづく>


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奥田 覚(おくだかく)@株式会社カエルパンダ
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