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新作ミュージカル「Irreplaceable」NYCリーディング公演(後編)

去る2024年9月9日、ニューヨーク・チェイン劇場にて開催された「スパークシアターフェスティバルNYC Fall2024」(主催:Emerging Artists Theatre)の初日に、私たちの新作ミュージカル「Irreplaceable, A New Musical」をリーディング形式で上演いたしました。

私個人にとっては研修成果にも当たるものですので、我々がニューヨークでどうやって新作ミュージカルを立ち上げて、まずはリーディング公演まで漕ぎ着けたのかについて、記録しています。

前編はこちら↓


素晴らしいキャストたち

まずは、今回参加してくれた素晴らしいキャストをご紹介します。

剣人 ーLuke Di Liddo

ルークは現役のNYUの学生で、以前学内公演で「Natasha, Pierre & The Great Comet of 1812」を演っているのを観に行った際に、アンドレイを演じていてとても印象深く素敵だったのです。
見た目通りの好青年で、芝居心もあり歌声もとても良くて今回の剣人という役にピッタリでした!

尚美 ーCharissa Bertels

カリッサはあゆみさんの親友で、以前私も彼女のお宅でクッキーパーティーに参加させてもらったこともあったりして面識もありました。
今回、じつはこの役は当初別の俳優さんに決定していたのですが、その方が諸事情により急遽出演できなくなってしまい、彼女は困った私たちを助けてくれた救世主であります。この上なくプロフェッショナルで心強く素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。

浩之 ーGreg Carter

グレッグは、やはりまたあゆみさんが以前お仕事をしたことがあるということで紹介してくれたのですが、資料映像を見た瞬間から「剣人の頑固で昔気質な祖父」というイメージにピッタリでぜひにとお願いしました。
紳士的で素晴らしい人柄とプロフェッショナルな姿勢で、つねに現場を引っ張ってくれました。

巳奈 ーAngelika Christoforou

アンジェリカはルークと同じく現役のNYUの学生で、やはり同じ「Natasha, Pierre & The Great Comet of 1812」に出演していて印象に残っていたのでした。
パッと見は今どきの大学生といった感じですが、実にしっかりしていてすべてにおいて信頼できる、素晴らしい才能の持ち主です。

慎司/ 呉井/ ナレーター ーE.B. Hinnant

イービーとは、ニューヨーク公立図書館の主催する「Across A Crowded Room」というミュージカルライターやパフォーマーが知り合うためのイベントで知り合いました。
今回はふたつの役と、ナレーションを担当するという難しいパートをお願いしましたが、どの役もとても魅力的に軽やかに演じてくれました。

歌稽古が始まって

そして歌稽古が始まりました。
まずは、一番曲数の多い主役のルークとのリハーサルから。

どこの国でもいつの時代でも、新作というのはだいたいライターがギリギリまでああでもないこうでもないと手を入れたがるのが常でして、そんなわけで資料をギリギリに渡して、さらにはリハーサル中にも歌詞を変えたりメロディをいじったりいろいろしても、彼はとても柔軟に即座に対応してくれました。感謝。

たぶんこれは
アダムが歌詞を変えているところ(笑)
あゆみさん、アダム、ルーク、私

そして次はカリッサとのリハーサル。
先に書いたように彼女は急遽この役を引き受けてくれたので、大慌てで曲を渡しました。
さらにはじつは彼女の曲が一番難しいし長かったので、不安を抱えながらみんなで向かったのですが、最初に試しに一回通してみようと言って歌ってもらったら、なんとすでに完璧・・・。

え、、、なんで???
と全員で狐につままれたようになりました(笑)

彼女は新作でのパフォーマンスに定評がある人で、まあだからこそ今回この不測の事態に助けを求めたわけなのですが、とはいえここまでとは…。
本当にびっくりしました。プロ中のプロという感じで、恐れ入りました。

あゆみさん、アダム、私、カリッサ

そして最後に、グレッグとアンジェリカのデュエットのリハーサル。
今回初めましてのふたりがリハーサルをしながら、曲中で起こるのと同じように次第に打ち解けていくのが伝わって、とても良い時間となりました。

たぶんひと通りさらって
ちょっと落ち着いてるところ

そして全体リハーサル

リーディングの場合は基本的にムーブメントはないし、台本を見ながら文字通り「読んで」いくものなので、フルプロダクションのように毎日リハーサルを繰り返したりはしません。

とはいえ演劇関係者の方はおわかりでしょうが、そうは言っても意外とやることはたくさんあって、時間は短い。
ですがそこは演出家の英さんを中心に、アダムとやっちゃんがしっかりサポートしてくれて、スムーズに進みました。
私は今回はMDという立場でしたので、音楽面をあゆみさんと一緒に進行。
この辺りはみんなのチームワークとこれまでの経験値が、場所が変わってもちゃんと役に立つのだなと実感できた部分でした。

話し合うライティングチーム
キャスト勢揃い
読み合わせ
通し稽古


地元のフリーペーパーに掲載

ニューヨークでは日本人向けのフリーペーパーはいくつか種類があるのですが、そのうちのひとつ「よみタイム」さんが私たちの公演についての記事を載せてくれました。

ていねいに説明してもらいました

サイトはこちら↓


Broadway Worldにも掲載

Broadway worldという、こちらの演劇の情報サイトにも載せてもらいました。↓


そしていよいよ公演当日

当日はテクリハとドレスリハーサルのための短い時間があり、日本でいう場当たりを大急ぎで行いました。

1箇所だけちょっとこだわった照明の箇所があり、英さんを中心にメンバーみんながそれを劇場スタッフさんと作っている間に、私は譜面台、椅子、アンプなどのすべてのものをバミりました!
こんなところで私の小劇場音楽家経験が生きてくるとは。バミったりできる作曲家で本当に良かったな、と思いました(笑)

当日配布したプログラムはこんな感じです↓

当日パンフレット

そして本番。おかげさまでたくさんのお客様にご来場いただきました。
まずは英さんとアダムによる、日本語と英語両言語の前説からスタート。

前説タイム!
剣人と尚美のシーン
浩之と巳奈のデュエット

そして終演後には、主催のスパークシアターフェスティバルの進行で、同日に公演をおこなったもうひとつの団体と合同の、お客様とのフィードバックトークの時間が設けられました。

すごぶるお行儀の良い私たち(笑)

「もの言うニューヨーカー」とよく言われたりしますが、こういう時に発言が絶えないのがニューヨークですね。
たくさんのお客様から次々と、興味深かったり勇気づけられたりする感想をいただけて、とても意義深かったです。

終演後に

そんなわけで、おかげさまで無事に公演が終わりまして。
カンパニー全員で記念撮影を行いました。

晴れ晴れと

せっかくなので、ライティングチームでも記念撮影。

よく見ると
いつもちょけてる英さん

そして大人チームだけでちょっとした打ち上げを。
NYU若者チームは「明日の課題が〜(泣)」と言いながら帰って行きました。そんなところも素敵です。こちらでは学生がちゃんと日々勉学に追われているようです。

パブでゆったりと打ち上げ


そして後日、ふたたびBroadway Worldに終了後のレポート記事も掲載してもらいました↓


以上、ざっくりとではありますが今回のリーディング公演の記録です。

この作品はまだディベロップメント途上にありまして、もちろんこれからも進んでいきます。
将来的には日本語での上演も見据えて、両言語で創作を進めておりますので、ぜひ今後ともご注目いただけたら嬉しく思います!

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奥田祐 OKUDA Yu
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