「黄昏高校生クイズ」という店。
駅地下に新しいお店が出来た。
「黄昏高校生クイズ」という看板。
大きく説明書きがある。
――― このお店に入ると、あなたは、高校生です。三人一組になっていただき、クイズに挑戦していただきます。優勝すると、一万円。もしくはお食事ただ。おひとり様歓迎。
三人一組のクイズ?
おひとり様歓迎?
とりあえず、入ってみる。
店内は、ファミレスのような作りになっていて、でも、正面にクイズの解答席が二つ。なんか、学ランやら、ジャージやら、ブレザーなどのコスプレ的な簡易衣装の人たちがクイズに答えている。
でも、年齢はバラバラ。
僕は、座り、そのクイズ大会を眺めながら、ハンバーグを注文。
食べていてしばらくすると、タブレットに「勧誘」の文字。
「〇」をクリックすると、クイズ台の裏に来てと案内。
いくと「クイズ研究会部室」という場所で、高校生的なコスプレを選べるようになっていて、僕は、恥ずかしいので、「千葉県(高3)」と書かれたプラカードを首から下げる。
「それでは、次の挑戦者、どうぞ!」
クイズ台に行くと、「店員高校生」の女性二人が、僕と同じ解答席に。
「先輩、来てくれたんですね!」
「信じてました!」
と、歓迎の笑顔。ドキドキ。
司会者役の店員さん「問題!」と、叫び。
「となりのトトロで、メイはトウモロコシを何と言い間違えた?」
ピンポンっ!
と、隣の店員高校生がボタンを押した。
「え?」
「せ、先輩、お願いします!」
「え、だって」
「当ててくれたら、先輩との約束守ります」
約束? なんだ?
「では、答えを!」
「え、あ、トウキビ」
ブーブー!
「はい、退場!」
と、一人だけ退場させられた。
「……」
ということで、後輩との約束らしきものは分からず、ハンバーグは三千円だった。このモヤモヤ。
「……恋かも」
黄昏、高校生。
いやいや。
その店も、次に見かけたときには、「アニメコスプレ喫茶」に変わっていた。
世の中、大変だなぁ。
迷走中。
と、思った。