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跳ねる少年。
休日。
ショッピングモール。
回転ずしの店舗に入っていく家族三人。
五歳ぐらいの男の子が母親と手を繋ぎながらぴょんぴょん跳ねてる。
「跳ねてるね」
と、妻に言う。
「跳ねてる」
「回転ずしがよっぽど嬉しかったんだろうね」
「そうね」
ぴょんぴょん跳ねる子供。
彼もいつかは中年になり、回転ずしに入るときに飛び跳ねたりしなくなるのだろう。
そんなことを考えながら、素敵な瞬間だと。
まあ、中年になっても、嬉しくてぴょんぴょん跳ねててもいいけど。
しかし、ただ寿司が嬉しくて跳ねてるだけなのだろうか?
たとえば、家族三人で食事をすること自体が嬉しいのかもしれない。
もしくは、回転ずしをもっと日頃から食べに行きたいという思いを、両親へと伝えるべく、彼なりのパフォーマンスかもしれない。
ほら、こんなに僕嬉しそうでしょ?って。
はたまた、両親が最近不仲で、心配した彼が、ぴょんぴょん跳ねて、その場を盛り上げているのかもしれない。
いずれにしろ、素敵。
これからもぴょんぴょん跳ねてもらいたい。
「跳ねてたね」
「跳ねてた」
僕達は、駐車場へと向かった。
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![奥田庵 okuda-an](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27955132/profile_870061032876701b499472c8b93022f4.jpg?width=600&crop=1:1,smart)