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呪い【短編小説】

呪いを自らにかけている時がある。
どうでもいいことにすがっていて、それが破綻すると、全てが終わってしまったかのような絶望的な気持ちになる。と、恐れている。

恐怖モチベ。
呪い。

「いらん」

なぜ呪いをかけるのか?
それ相応の理由がある。

たとえば、消えたい気持ちになっている自分を変えたいと願ったとき。
自信を失い、喜びを見失い、悲しみを振り払うために「呪い」をかけて、そこから抜け出そうともがくのだ。

しかし、「呪い」の達成への道程は苦しみを生む。
そこには必ず絶望が振り幅として存在し、同時に、心の疲弊が首を絞める。

恐怖モチベ。
いらん。

「ほどほどでいい」
と、父親が畑をいじりながら言った。
僕は、簡易的なプラスチックの小さな椅子に座り、そんな父親を眺める。
父親は身を粉にして働き、引退して畑をいじっている。
「食いつなげれば」
と、父親は付け加え、ジャガイモを一つ僕に投げた。


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