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悩み。【短編小説】

まず、まず。


よく食べ、よく寝る。
少し、太らないか気にする。

気にして、また食べて。
寝る。

悩み相談がある人はこちら。
と、どこかの電話番号をニュースキャスターが言っている。

悩みか。
悩みね。

人が多い。
心を休めたい。と、カフェに入る。
と、健康そうな女性が横に二人、斜め前に二人。
ものすごく早口。

アイスコーヒーのSサイズを机の上に置きながら、パワフルな女性達に圧倒されている。
駄目だのんびりできない。

スゲー早口。
ちょい、聴こえてくる内容で、横の二人はダンスをやっていて、発表会のこと、始めたときのこと、毎週参加できない悩みと、尊敬する「まゆまみさん」の話に、「マホちゃんいけんじゃない」「あたし無料」とかなんとか。

斜め前の二人はもっと聞き取れない。
早い。早口言葉みたい。アメリカのことをアマメリアと書いてて最初わけ分からず自分でも暗号かと思ったということは聴き取れた。

元気だなあ。
そして、自分を顧みる。
今からそこまでの元気を出すとなると、体力、気力、聞いてもらいたいという気持ち。そこらへんを強化して、かつ、もっともっとと。

「……」

いや、いい。
僕は僕のペースと興味があるのさ。
特に競いたいこともないし、自分なりの習慣の見直しを試みてもいる。

「……」

怯えか。

刺激になった。
出よう。

また別のところでじっとしよう。



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奥田庵 okuda-an
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