渇きから。【短編小説】
部屋は暗くした方が良い。
スタンドライトを常夜灯程度の明るさにして、しばらくじっとする。
何かしら音楽もあった方が良い。
けれど、騒がしくないもの。
メロディーもはっきりしないようなもの。
そこで、空間を見つめながら思考する。
アイスコーヒーを左に置いて、たまに口にする。
なにに急き立てられているのだろう?
そういう渇きみたいなものから切り離せられたらいいのにと思う。
今夜の作業が、ホンのわずかしか進まなくたって、それに怯えないように。
着実に、一歩。
それを実感できるように、一歩。
僕は未来の僕に怯えている。
また、空虚に吞まれてしまうのではないかと怯えている。
そんなことにならないよう、今、この瞬間が豊かであると思えるような心持になりたい。
それはどうすればいいのか?
まず、今、この時間。
一歩。
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