赤い満月【短編小説】
赤い満月。
とても綺麗。
地球が滅亡するのだ。
人々は赤い満月に魅了される。
世界が静まり返る。
月夜の晩にふさわしい静けさ。
多くのものはこの赤い満月の意味を知らず、ただ魅了される。
そして、忘れないようにと写真に収めたり、動画で撮影したり、絵で表現しようとする。
地球は明日滅亡する。
そのことを知っているものもいる。
赤い満月の出た次の日、全てが無になるのだ。
ただ「終わり」を迎え、消えてしまう。
そこには何もない。
僕達はいずれ無になる。
それははじめから決まっている。
地球も無になる。
それも決まっている。
ただ、僕らは赤い満月に魅了され、心を震わせ、生きていることを実感する。
それは奇跡なのだと知る。
「綺麗だね」
「綺麗だね」
「明日はいい日な気がする」
「そうなるといいね」
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