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ミニ小説100編 その④

100
ミニ小説100編です。その④
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#ショートストーリー

狭い視界。

バス停と、電車と、カフェばかり。 そこでのことが何気に目に入る。 そればかりじゃないだろと…

11

洗剤ミステリー。

うちのアパートの部屋前に新品の洗剤が置かれている。 気持ち悪い。 下の階が空き家になってい…

8

涙。

田舎。 川沿い。 原付を停めて、ポカンと。 煙草とか、吸って、夕焼けの時間をくゆるりと過…

9

猫と会話するおばちゃん。

「あら、あらあら、そぉなのぉ」 ん? と、見ると、おばあちゃんが猫に話しかけてる。 「あ…

8

三人組よ永遠に。

久々のコメダ珈琲。 妻と案内された席に行くと、すぐ隣におじさん三人組。 なんか、ウキウキと…

2

イメージして弾く。

パソコンから離れてると、流れていたYouTubeが再生が終わり、どう流れ着いたのか、ピアノをレ…

8

相談される緊張。

久々に、昔のバイト仲間から電話。 悩んでいるらしい。 「……ふむふむ」 と、聴きつつ、緊張してくる。 なんかイイこと言った方が良いのかもしれない。 けど、そんな、なんか導くようなことも言えない。 相手の話も全然頭に入って来ない。 そういえば、前にも突然、いつもは連絡してこないような人から電話があって、また悩んでるらしく、 「頑張れ! そういう時は気負っちゃだめだ」 てきなことを言ったような記憶がある。 けど、的を射ていない気もするし、言ってて自分にも違和感あった。

ちょっとのひとそれぞれ。

母親が家を出ていった。 小学生の悠太がうろたえていると、父親が、 「まあ、そのうち帰ってく…

9

寝てる人の視線。

電車。 つり革につかまり、外を眺める。 ふと、視線を感じる。 座席を見ると、寝ている女性。…

6

一人ぼっち。

一人ぼっちの少年を少し離れて見守る、また別の一人ぼっちの少年。 その少年に思いを寄せてい…

5

だるいという陰謀。

だるい。 きっとこれは陰謀なのだ。 と、いうことにしてみる。 陰謀論。 このだるさは仕組ま…

3

静けさに慣れたい。

テレビを消して、スマホを閉じて、 静けさ。 静けさを好きになりたい。 実際、静けさは好きな…

3

あのボタンを押したい。

謎のボタン。 三丁目の角。狭い道。その中間地点の下。 偶然見つけた。 なんのボタンなのだろ…

4

コップを撫でる彼女の指。

彼女はコップの飲み口を人差し指でゆっくりと撫でている。 僕はそれを眺めている。 ゆっくり撫でる。 くるり。そして、半円、ゆっくり戻り、中指を少しだけ持ち上げる。 ああ、なんだか分からないけれど、綺麗な動きだなぁって思う。 ロウソクの灯り。ゆらゆら揺れている。 僕は飲み干した炭酸水をお替りする。 そんな僕の様子に静かに視線を移し、彼女は少しだけ微笑む。 ピアノがメインのジャズが流れている。 彼女のコップには、少しだけウィスキーが残っていた。 それを飲まずに、コップをク