マガジンのカバー画像

ミニ小説100編 その④

100
ミニ小説100編です。その④
運営しているクリエイター

#掌編

山籠もりしたい会社員の山本君。

出来るだけ山に籠って、静かな生活がしたい同級生の山本君はバリバリの会社員になっていた。 …

18

このことは秘密。【小説】

心地良い静寂を感じる。 九月。少し涼しい日。 車が行き交う道を離れて、住宅街を抜け開けたと…

7

【小説】そこそこの成功確率。

彼は小さな街の商店街にある、古い喫茶店にいた。 わたしは、さり気なく近づき、声をかけ観光…

9

【小説】まだら

もう十数年まともに写真を撮っていない。 自分の顔を写真に残したいと思えないのだ。 このまま…

16

【小説】目撃してしまった。

帰り道。 少し前を歩いている男性の背中に、「夜逃げ」と書かれた張り紙がついていた。 夜逃…

14

【短編】デカイ蟻。

幼い頃、むちゃくちゃデカイ蟻を見た。 ような記憶。 とんでもなくデカイ蜘蛛とか、小さいオジ…

11

彼女は回る【短編小説】

彼女はフィギュアスケートが好きだった。 クルクル回って、パッと決めポーズ。 部屋の中、テレビの前でその真似をした。 小学生の頃は祖母が喜んだ。 友達も教室とか放課後の帰り道でなんとなく一緒に回って楽しかった。 クルクル回る。 パッ。 フィギュアスケートをやるという機会には出会うことはなかった。 彼女はただ、その場でクルクル回って、パッとポーズをする。 それをたまにしながら、アラサーになった。 祖母が死んだときに、病室のベッドでも回った。祖母は目を瞑ったまま、もう喜んでは

その人の楽しみ【短編小説】

「楽しいんだよ」 と、その人は言った。 僕は最初何が楽しいのか分からなかった。 その人はた…

19