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間もなく発車します!!

 残暑がなおも残る中で季節は徐々に秋の風情を強めつつあります。石破新総裁誕生で今月27日には衆院選の投開票が予定され政局こそ先行きが不透明な状況下ではありますが、株式相場は米国経済のソフトランディング期待、再びの円安基調から日経平均が一時4万円台までに戻るなど比較的底堅い展開が見られます。

 秋相場の話題は様々ですが、IPO市場では久しぶりに大型IPOとなる東京地下鉄(9023・公開株数2億9050万株)に関心が集まりつつあります。

 今年は2月から本日の伸和HD(7118・アンビシャス)までの60銘柄がIPO。10月は東京地下鉄を含む残り5銘柄の上場が予定されており、11月も既に1銘柄(ガーデン・274A・スタンダード)の上場が決まって
います。
 厳しい市場環境の下で公開初値割れはともかく公開価格すら下回る銘柄が多く、海外投資家主体の展開の中で多くの投資家の関心はプライム市場のコア銘柄(三菱重工、NEC、日立、富士通、ファーストリテイリングなど)に偏重した状況となっています。これまでIPO銘柄では痛い目にあったという投資家も多いのかも知れませんが、銘柄によっては運用成果を高めたものもありますので、時には関心を持って頂きたいと思います。

 10月は1日にシマダヤ(250A・食品・めん類など製造販売)がスタンダード市場に上場。公開価格1880円に対して初値1760円(▲6.4%)高値1840円(10月1日)、安値1465円(10月11日)と推移。
 17日に1593円まで戻ったりしましたが、時価は1501円と低迷状態。
 異業種のメルコHD子会社でスピンオフ上場として話題を集めていましたが上場後は不人気の状況。食品企業で消費者の認知度は比較的高く、業績自体は安定していますが、今期は1Q業績こそ営業利益の進捗率が通期見通しに対して39%と高いものの通期減益見通しで成長性に対しての否定的な見方から今期予想PER11倍台、PBR1.4倍台、配当利回り2.66%(21日現在)で評価されており、上場後の株価は公開価格をいまだに上回ることなく推移しています。


 シマダヤに限らず、多くの直近IPO銘柄が現在、人気離散で蚊帳の外状態にありますが、市場の関心は既に23日にプライム市場に上場する東京地下鉄(東京メトロ)(公開株価1200円で上場時推定時価総額8000億円・主幹事は野村証券)に移行しています。

 優待制度と高配当狙いの投資家には魅力的で同社株には地下鉄を利用される近郊から都内通勤者を中心に関心を持たれている方が多いかと思われ、このところメディアで様々に盛んに取り上げられているため関心が高まっています。
 都内で9路線の地下鉄を運営しているほか、他の私鉄企業と同様に駅構内での店舗、流通施設の運営、不動産事業も展開しています。

 3月期決算で今期の業績はインバウンド需要もあり、売上高4075億円(前期比+4.7%)、営業利益880億円(同+15.2%)、EBITDA1594億円(同+6.2%)、経常利益767億円(同+16.4%)、
当期利益523億円(同+13.1%)と2桁台の利益成長見通し。
 EPSは90円、一株配当金は40円の見通し。

 1Q決算実績は売上高1019.5億円、営業利益290.97億円(通期見通しに対しての進捗率は33%)、経常利益262.9億円(同34%)、当期利益180.6億円(同34.5%)、EPS31.09円で通期予想業績は余裕含み。

 公開株価1200円はPER13倍程度、配当利回り3.3%で今期業績が上方修正含みである点から比較的割安感も感じられます。
 優待制度も加味すると個人の短期投資家だけでなく中長期投資家においても人気は高いと言えそうです。

 放出株は多いためキャピタルゲイン狙いというよりはインカムゲイン狙いのチャンスがあるのではないかと推察されますが、いよいよ今週の水曜日に発車のベルがなりますので要注目です。


(炎)


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