有料メルマガライブラリから(545)「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか3」
有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか3」=
(有料メルマガ第20回・2009/5/12配信号)
※2009年5月現在の内容です。留意してお読み下さい。
先週の『ワキタ戦についての考察』については短期の時間軸で投資した場合の例でしたが、生涯パートナーの研究で取っている2つの戦術のうち「高技術力は持っていないけれど、安定的な事業基盤を確立しており、過去の利益ですでにバランス・シートに資産を豊富に蓄積している財務内容が良く、高いインカムゲイン(配当+優待)を継続的にはらってくれる確率の高い企業の株を高利回りのときに買って所有する」という戦術に基づいて戦闘行為を行なうときの、戦闘術としても役に立つことが沢山含まれています。
第17回目のコラムで書いたように、この戦術で投資した企業群は、いま現在の生活費を確保することも目的としているので、株価が下がったり、動かなければ持ち続けるスタンスです。
資産背景的に見て充分割安なところまで株価が下がっているので、そこから更に株価が下がっても、資産背景を自分が投資し続ける気力の支えと考えて、じっと我慢をするわけです。景気にはサイクルがあり、景気がいずれ回復するなら、株価も戻るであろう。そんな中長期の時間軸でおこなう気長なスタンスの投資です。
しかし、なんらかの株価上昇の触媒(=カタリスト)が発生し、株価上昇により配当や優待の数年分のインカム・ゲイン分の利益をキャピタル・ゲインで一気に得られる状況となったときは、売却してインカム・ゲインではなくキャピタル・ゲインで利益を確定することも行ないます。
このキャピタル・ゲインを得るための実戦での戦闘術として、活用するべきこと(→戦闘術の基礎)が沢山含まれていると考えます。
「現在の生活費を確保することも目的としている」高配当優待利回り株は、繰り返しになりますが基本的には中長期の時間軸で投資することになります。
中長期で投資するのだからタイミングは見る必要が無い。すでに割安なのだから、いますぐ投資するべきでタイミングは選ぶべきではないという意見もありますが、暴論だと考えます。
ワキタの例で言えば、わざわざ権利落ち後の高いところで買う必要があったのだろうか、ということです。相場環境が良ければ、正解の場合も大いにあると思います。
ただ、2009年の2月末から3月の初旬にかけての日本株の投資環境は、非常に劣悪で不安定であったことに異論のある方は少ないと思います。
投資する時点の相場環境や、他の銘柄の動きを見ていれば、権利落ち後に10%~20%程度の下落は充分予想できたことです。そして実際にワキタの株価は権利落ち後にズルズルと20%程度まで下落していきました。
ここで注意すべきことをまとめたいと思います。
まず第一に、投資を実行する場合は、その投資の投資期間=投資軸をはっきり決めて行なう必要があると考えます。
第二に、投資するにしても、どうせ買うなら、より安いところで手に入れる。投資時点の株式市場の投資環境に注意を怠らないということです。戦場の状況を把握しておくということです。
第三に、自分が充分安いと考えて投資を実行したならば、その後更にどんなに安くなろうとも握りこんだら離さない。他人の投資行動に影響を受け「30%下がったら損切りする」などという、愚にもつかない投資方針を立てないこと。危険だから損切りラインを10%に設定するというような、更に愚かな方針を立てないことです。
もちろんこれは、「中長期の時間軸で安定的な生活費を稼ぐために高配当優待のバリュー株に投資する」という時間軸で投資をする戦略をとっている投資家については、そうあるべきだと考えているということです。
最後にもう少し大事なことをまとめて書きます。生活費を稼ぐための投資なので、通常は株価が余り上がらなくても耐えられる株に投資をしています。だからといって常にインカム・ゲインだけで生活費を得なくても良いわけです。株価が急に上昇することにより、何年分かのインカム・ゲインを短期で一気に確保できる幸運が訪れたなら、躊躇せず短期投資に切り替えることも「戦術の想定している選択肢の一つである」ということです。
インカム・ゲイン目的で投資したのだから、売らないで持ち続ける。このように融通のきかない頑なな態度をとるのが、自分の投資の性格に合っているなら問題ないです。しかし普通の投資家は大きな利益を確保するチャンスが出来たときに、行動しないで、その後株価が反落して、儲けるチャンスを逃した時は大きな後悔の念を持つことが多いです。そんなことが多い投資の性格を持っている方には、利益を確保できるチャンスが来たときは、そのチャンスを生かしても良いという、柔軟な対応が必要ではないかということなのです。
ただし、手放した株が更に上昇して、より大きなキャピタル・ゲインを逃してしまっても、悔やまないという覚悟は当然必要です。もう少しいうと、すでに手のひらに入った利益をつかみ損なったときの後悔と、もしかしたら得られたかもしれない(将来の利益)を掴みそこなったときの損への後悔。どちらの損が自分にとって精神的な負担が大きいかによって、とるべき戦闘術が違ってくると考えます。
私はせっかく儲けて売ることが出来たのに、欲をかきすぎて株価が下がって儲けそこなったとき、大きな精神的な苦痛を受ける方です。それに反して、売らないで持ち続けていたならば得られた利益を逃した場合は、口惜しいですが、精神的な痛手を受けることは少ないです。そんな投資の性格を持っているので「儲けそこなうことありうべし」という方針で、怖い時には利食い千人力を実行するという投資ルールを作っています。
株式投資(=相場 特に短期のトレード)というのは、基本的に緊急事態にいかに対処するかで決着がつく(=成果が決まる)ものだと考えています。
特に短期の利益を求めるトレードとかインカム・ゲイン狙いの投機は、自分が想定しなかった相場環境とか、ミスター・マーケット(=市場=他の投資家の行動)の動きとか、緊急事態にいかに対処するかで勝負の決着(=短期の投資の成果、利益)がつくものだと考えています。
投資した株に何を求めているか(=値上がり益またはインカム・ゲインまたは欲張って両方とか)で、その株に対する時間軸が変わってくるので、一概にどのような行動が正しいかは明確ではありません。
しかし自分の決定していた方針と、状況の変化(=投資環境とか緊急事態とか他の投資家の行動)に、いかに対処するかで勝負(←投資の成果)の決着がつくのでしょう。
株式投資などの相場では株価はサイクルを描いて動いていきます。その短いサイクルの変動から利益をくみ出すのか、長い変動のサイクルから利益をくみ出すのか。小さいサイクルの変動は小さく、長いサイクルの変動が大きいかどうかは相場環境次第ですが、普通なら長いサイクルの変動の幅の方が大きいです。 当初からしっかりと投資の時間軸を決定してから投資行動に移りたいものです。そして基本的には当初の方針を守るべきだと考えます。
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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