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罪作りな沈黙期間

 令和5年も4月に入り、相変わらず慎重な投資家が多いのか頭重い展開が見られる株式相場。皆さんのお手持ち株の状況はいかがでしょうか。

 ここからは3月期決算企業の発表内容に関心が寄せられますがその前に株価は波乱を生じやすいことになりますので注意が必要です。

 なぜ波乱を生じやすいかというと何が起きるのか不透明な状況では投資家が買い手控えとなるためです。売り方が優勢となると株価は下値模索が続くことになります。
 集合体としての投資家は絶えず拠り所を求めて行動しています。売りも買いも何らかの拠り所があって投資行動を行います。
 その結果、株価はポジティブな反応を示したりもしますし、何も拠り所となる情報がないと株価にネガティブな反応を示すことになります。


 決算発表の内容にはサプライズが伴いがちですが、多くの投資家はこの時期保有する銘柄の明るい未来を期待して保有をすることになりますが、企業側のこの時期の対応はやや冷たいように感じられます。

 私たちの質問に対して沈黙期間(決算発表前の1カ月前以内の期間)だから回答できませんというお決まりのせりふが、IR担当者から返ってくるのが日常茶飯事なのですが、この時期のこの対応は株価にはネガティブに働くことになります。

 ルールだから仕方がないとは言え、沈黙期間など以前はなかったので企業に対してアナリストや投資家は自由に質問して回答を待ち、ポジティブな回答に対しては素直に反応したものです。
 IR担当者が社内ルールを盾にして関心を持つ投資家を冷たくあしらうのは問題ですが、これは開かれた株式市場にとっては大いに問題となります。

 冷たくあしらう回答ではなく前向きに社内で検討して社外に回答をしていくスタンスがないとせっかくの自社応援団との関係が壊れてしまうことになります。

 アナリストや投資家からの質問に対して回答がないのは論外ですが、沈黙期間を盾にした当たり障りのない回答がどれだけ多いのか知る余地もありませんが、社長の次に重責を担う筈のIR担当者の真摯な対応がこの時期求められます。


 今年も株式相場は4月後半から5月連休明けにかけ決算発表ラッシュを迎えます。投資家の視点は今期の業績がどうなるかに関心が向かっており、その内容に期待するところですが、不透明感がある企業は避けたいと思うのは当然です。
 その結果として株式相場は罪作りな波乱を生じることになります。

 企業は沈黙すれば良いというわけでなく答えられないものはしっかりと回答できないとしてもそれ以外のアピールは可能な筈です。皆さんの保有されている株価低迷中の銘柄はいかがでしょうか。


 この際IR担当者の皆さん(社長も同様)はもう少し真剣に投資家やアナリストと向き合って頂きたいと願います。


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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