相場の急変動
日経平均株価は7月11日の終値(42,224円)をピークとして8月5日まで、約10,766円(率にして約25.5%)も下げました。TOPIXもこの間、約24%の下落となっています。特に日銀が利上げを発表した翌日(8月1日)からの3日間で7,643円(率にして約19.5%)もの暴落的な下げとなりました。
この3日間の下落率はブラックマンデー(▲約15%)の下落率を超えました。
要因としては、外人投資家(主に投機ファンド)が今年春以降に買い上げてきた株式と円ショートのポジションが利上げを理由として巻き戻されたこと、そして短期志向の信用取引の個人投資家の投げが重なったのでしょう。結果として、急激な円高への巻き戻しとともに指数寄与度の高いSBGや東京エレクトロン、ファーストリテをはじめとして、外人(ファンド)好みの大型株が主導した下落となりました。
今回の急落はブラックマンデー時に似ているなぁ~、と感じた次第です。
思い返すに、この春には「日銀がETF買いを止めると発表したことに一抹の不安を覚える」と書きましたが、これで外資ファンドは上下とも安心して日経先物を動かせるようになったからです。そして今回は国債買い入れの減額に留まらず利上げも決定し、且つ植田総裁の発言がタカ派と捉えられたことも市場ではサプライズと受け止められ、投機ファンドにとっては動かす材料が揃ったと言うところでしょうか。
故に想定外の連鎖的な下落に繋がったと考えています。
筆者自身も7月下旬からの株価動向に不安を持ち、徐々に株式のポジションを減らしていましたが、流石に8月に入ってからの急落には間に合わず、かなりの痛手となりました。
読者の皆さまも想定外の下落に見舞われたと思います。
今回の下落により様々な指標面から見ても過熱感は無くなりました。暫くは不安定な相場が続きそうですが、強気相場は悲観の中に生まれると言われます。 投機筋の円売りが(当面は?)治まること以外に国内株式市場を取り巻く環境に大きな変化はありません。米国の景気悪化懸念が出ているようですが、これは時間が経たねば分かりませんから先読みも出来ません。
酷い下げ方でしたが、これで春頃からの指数寄与度の高い銘柄ばかりが買われる状況に変化が出てくると思われますので、余裕を持って投資に向かえる環境になったと思います。
このような大きな相場変動は物色対象の変化も促します。
今後はしっかりした業績分析に基づいた銘柄選定が奏功し、またM&Aの増加なども注目されると考えています。
(街のコンサルタント)
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