震災関連銘柄
今年も既に大発会から2日間の取引がありました。この2日間の株式相場の特徴は元旦に起きた能登半島大地震とその救援機とJAL航空機の衝突事故による波乱とその後の見直しでした。
全体相場は大発会では大地震発生に対して警戒して始まりましたが、個別銘柄はむしろポジティブな反応が見られました。
多くの熱心な投資家各位は大震災、大津波発生に反応し、それに関連した主に中小型銘柄の株価は全体相場、指数の下げに対しポジティブな動きが見られましたが、短期の株価上昇の後は早速に警戒感も出ておりました。
このように東日本大震災後にも見られた震災関連への物色気運が今回も見られました。
大震災では道路や電力、通信、水道、ガスなど各種社会インフラに被害がもたらされ、その被害情報がメディアで伝えられ私たちは状況を知ることになります。投資家としてもこうした状況の中でインフラ復旧に貢献する企業への関心が一時的にしろ高まることになりますが、まさにこの2日間はそうした変動が生じたことが分かります。
[震災関連銘柄]
1.萩原工業(7856)
倉敷本社のブルーシートメーカー。繊維補強コンクリート、バルチップの拡大を世界市場で図る。
昨年12月23日に櫻井英明氏と同社社長のオンライン対談があったばかりで事業内容はそれをご参照願うとして株価は昨年後半は調整含みで推移し9月高値1900円から1382円まで低落。昨年末の大納会の終値1444円に対し大発会は1530円と6%ほどの上昇から始まりました。
5日も高値1544円まで買われるなど強含みの展開が見られましたが、さすがに短期に上がった後ですので、戻り売りの押されて終え1502円の終値となりました。
今回の大震災の影響についてはまだ不透明ですが、既に同社は世界14ヵ国、27の拠点を構築しており、世界市場での活躍の期待も大きく中期計画で2025年10月期の経常利益33億円を掲げている点にも注目。
2.三谷商事(8066)
福井を本社にガソリンスタンド、コンクリートなどの建設資材、IT、自動車販売、CATVなどを手掛ける。
大納会1949円に対し大発会はいきなり2179円+230円でスタート。この株価は上場来高値で、さすがにその後は売り物に押されている。昨年10月安値1311円からは66%の上昇を見せているだけに利益確定売りも出やすいのだろうが、PER13.4倍、配当利回り2%、自己株除く時価総額1825億円(今期予想営業利益209億円)で極端な割高感はない。
3.三谷セキサン(5273)
同じ福井に本社を置く三谷商事とは兄弟会社。パイル、ポールなどのコンクリート2次製品メーカー。
21年12月の8310円高値から22年9月安値3200円まで調整し昨年は戻り歩調。大納会の終値4780円に対し大発会は5480円+700円、+14.6%でスタートしたが、その後は売り物に押される展開。時価5140円は四季報ベースの今期予想PER13倍で極端な割高感はなく、過去の高値からはまだ比較的株価の位置は低い。
この他、震災関連銘柄としてはコンクリート2次製品メーカーなど多数あるが、北陸拠点の高収益安定成長型企業、前田工繊(7821)は土木資材で評価を高めており、時価総額は1000億円を超えている。比較的時価総額が小さい銘柄としては岡山の建設コンサルタント、ウエスコホールディングス(6091)、福岡の住宅、建築資材メーカー、日創プロニティ(3440)、災害用簡易トイレメーカーのネポン(7985)あたりにも活発な値動きが見られました。
これらの銘柄が短命に終わることになるのか、比較的ロングランで関心が向かうのか引き続き見守ることにしたい。
(炎)
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