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資金の有効利用

 初めにコラムの件で。

 昨日版で通算、億近5,000号だったそうです。凄い!
 筆者は2008年にお誘いを受けて書き始めましたが、20年以上にも渡り執筆陣の皆さんが「投資啓蒙の為に」協力して書き続けているメルマガって凄いなぁ~、と感じている次第です。
 また、主宰の松田氏には執筆開始以来、大変お世話になっています。全ての原稿を読み、推敲し、メルマガを毎日UPされてきた面倒な作業には頭が下がります。20年以上も殆ど休み無しで!

 様々なキャリアの方が書いていますので執筆者の得意分野や人となり、その時々の経済環境を彼らがどのように捉えているかなども感じて頂けるのではないでしょうか。私などはこの場を借りて申し上げれば、気分転換で愚痴ばかり書いている故に長続きしたのかも知れません(苦笑)。

 飽きずにお読みいただいている読者の皆様には感謝ですし、きちんと調べて書かれている執筆者の方たちにも脱帽です。
 元気なうちは続けて行きたいと考えていますので、これからもご支援のほど、宜しくお願いします。


 ところで、東京五輪・パラリンピックに絡んだ贈収賄事件はどうなったのか気になっています。最近はめっきりニュースが減りました。
 電通社員の取り調べや訴訟なども進んでいるようですが、五輪組織委トップ以下、上層部も認識していたはずの贈収賄事件であり、関連する一部企業や担当者だけによって引き起こされたとは到底考えられません。
 組織委が解散したため調査が出来なくなったなどと聞きますが、何故か一部の関係者の問題に矮小化されているように感じます。ここ最近のニュースを見るにつけ、巨悪の部分を隠すよう圧力がかけられているのでは無いかと疑います。この国のマスメディアやジャーナリズムへの懸念が膨らみ続けます。


 そしてリニア新幹線の静岡県内の掘削について。
 意味不明な議論が続くとともにリニア新幹線の工事が進まないようです。
 静岡空港の下に新幹線の駅を作ってくれないから、または静岡県内にのぞみを止めてくれないから知事がゴネていると言った噂もあります(笑)。

 個人的には1時間弱で大阪に行けるか否かは余り興味ありません。のぞみに乗れば1時間40分で名古屋へ、そして2時間半弱で大阪に行けます。時間短縮とは言え乗車中の大半を真っ暗なトンネル内部を見ながら大阪に行きたいとは思いませんし、近場なら余裕があれば新幹線では無く在来線を使っています。新幹線ですら早過ぎて景色を楽しめませんから。
 一度は乗ってみたい気持ちはありますが・・・(笑)。

 今の時代、急ぐ会議ならオンラインで済みます。全員が集まれる日時や場所を調整するのは案外面倒なものです。

 また、万が一の際の東海道の物流を維持する目的と言うのなら、大した荷物も運べないリニアより、しっかりした鉄道網なりを別ルートで作るべきですね。
 JRは技術を披露したいために(何処でも良いから)リニアを走らせたいのか?またはこの技術を使うことに意義があるのか?筆者には分かりません。

 加えて先週の朝日新聞では、香川県議員の南米への高額な視察旅行を批判する記事がありました。3月30日のメルマガにも書きましたが、香川県議会に限らず、ノー天気な地方議会の存在こそが緊張感の無い日本政治の弱点と言えます。
 少なくとも英語くらいは話せる議員だけで行くとか、専門家による視察レポートの検証結果の発表が必須、などの制約があっても良さそうです。記事を見る限りでは通訳付きの慰安旅行ですから。

 これから長く人口減少が続く日本で、五輪予算が急膨張したり、神宮外苑界隈を再開発したり、居住者が減った地域に巨大な防潮堤を作ったり、黒字の見込めない新幹線を延伸したり・・・。これらは本当に必要なのでしょうか?
 全てにおいて政官財が一体となって資金作りに励んでいるように見えます。
 政治資金捻出のため血税(人様の金)を使って。政治家の文通費(小遣い?)の取り扱いについても進展が見えません。与党議員が開示に抵抗しているようです。


 またまた愚痴が長くなり済みません(汗)。


 株式市場の6月までの急騰劇も流石に治まってきたようにみえます。

 日経平均はもとより、昨年までは見向きもされなかった、成長性が低く、株主還元もイマイチな大型株まで一斉に買われた相場に違和感を持ちました。
 その一方でスタンダードやグロース市場などでは割安な銘柄であっても買われていませんし、海外ファンドの空売りや個人投資家の見切り売りで続落しているものもあります。

 市場は「33年ぶりの高値」と囃していますが時価総額は既に800兆円(1989年末の約1.3倍)を超え、AI売買増加によるものか、やたらと博打的な相場が続いています。且つ日銀が大量保有するETFにより需給に変
化が起きたため、株価を評価する市場機能も落ちているのでしょう。

 確かに半導体関連の銘柄については将来性もあり国策にもなっていますから再評価されるのは分かります。とは言え、米中デカップリングによる政治的な分断が民間の設備投資に与える影響は大きいと思われるものの、少しばかり株主還元に前向きになったと言うだけで急に買われるのも如何なものかとも感じています。嫌々の株主還元発表も多いように見えますし。

 海外投資家が日本株のウエイトを引き上げた分だけ上がったようですが、国内投資家は売り長となっています。そろそろ慎重になりたいところです。


 株主還元を増やす企業が増えたことは歓迎しますが、やはり株主還元は一時的な自社株買いより配当であるべきだし、もともと保守的なバリュー銘柄の経営陣が投資家を意識して本当に態度を変えるのか否かを注視したいところです。

 住友化学や住友鉱山などは想定外の大幅減益予想を出した上、配当(外部流出)までシッカリと引き下げました。十分な配当余力があるにも関わらず。

 注意したいのは、本当に事業改善が進み収益が上がり続けるのか、株主還元が続くのか、人件費を上げ続けることが出来るのか・・・、などです。今年後半以降は企業業績こそが評価される主要な要素になると思われます。


 昨年は資源高や円安が重なって厳しい事業環境が続きましたが、後半からは海外需要の持ち直しやサプライチェーンの回復が始まり、今年に入ってからは資源価格の落ち着きなどが見られたことで円安の効果が出たところです。
 前期決算を調べてみると円安のお陰でやっと一息ついた輸出企業も多かったようです。


 注意が必要なのは、功を焦って日本郵政が豪トールを買収したような無駄な投資がされないか、株主還元が一過性の自社株買いで済まされてしまわないかなど、資金は豊富にあるものの、その使い方に注意を払いたいところです。

 そろそろ四半期開示が始まります。各企業の今年度以降の経営意識や株主還元に向けた姿勢を見ていきたいと思います。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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