石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」日本精線(5659) 2015/09/15
※このレポートは2015年9月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。
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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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◆Contents◆
◇銘柄研究 日本精線(5659)
◇コラム マーケットはときにヒステリーを起こす。暴れ方は予想がつかない
◇期間限定コラム バランス・シートを読むための簡単な知識(3)
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◇銘柄研究 日本精線(5659)
本日は、1951年(昭和26年)に創業した、ステンレス鋼線をベースにナスロン(金属繊維)などの高付加価値製品、高合金ワイヤなどの独自製品を生産して成長を続けている日本精線を、研究銘柄として取り上げます。
日本精線は、日本最大の特殊鋼メーカーである大同特殊鋼の子会社であり、耐久性や耐食性、強度、圧延性などさまざまなメリットを備えたステンレス鋼線のパイオニアとして日本のものづくりを支え、業界を常にリードしてきました。そして、日本国内トップメーカー(=日本におけるステンレス鋼線のシェアNO1)としての地位を確立しています。
日本精線の強みは、ステンレス鋼線の分野で常にトップシェアを守ってきたことです。日本精線が作る高品質のステンレス鋼線は最先端の技術を支えており、日本のモノづくりのありとあらゆる場所で使われています。また、開発に対して積極的に投資を行う伝統があり、現在も画期的な新製品を世に送り出しています。
日本精線はモノづくりの川上に位置するため、一般消費者には知名度は低いですが、パソコンや携帯電話・スマートフォンに始まり、家電・自動車・船舶・航空機・建築物などの製造工程や、製品の中に使用されるバネ材やボルト・ナットの素材となるステンレス鋼線で国内トップシェアを誇り、その他にも化学繊維から半導体まで幅広い分野の工業製品の生産に欠かせない金属製メッシュ・メタルフィルター等の生産で日本の製造業を支えています。
また、現在は水素生成器の開発や耐水素脆性製品などの技術により、水素社会への貢献を推進しています。
日本精線は、燃料電池用をはじめ高純度水素ガスの製造、精製分野に適用可能なパラジウム合金圧延箔を使った水素分離膜モジュールの開発に成功しています。
製油所での水素製造装置の水素精製装置(PSA-Pressure Swing Adsorption)代替をはじめ、燃料電池自動車の開発で展開が注目されている水素ステーションでの水素製造装置や家庭用燃料電池の水素精製プロセス、また半導体産業で使用される超高純度水素ガス精製分野向けなどをターゲットとしています。 これから燃料電池車などが相場テーマとなったときは、かなり注目を集める可能性があります。
日本精線はステンレス鋼線に関して、ひたすら細く、強く、世界一細い線材(ワイヤー)を加工する技術があるとして、過去に日経産業新聞(日本経済新聞の専門紙)で紹介されたこともあります。(日本精線の採用の情報ページで知りました。)
世界トップクラスを誇る極細線の技術は、情報通信・デジタル家電分野へ、また日本精線が開発したミクロン単位の金属繊維をベースとする超精密ガスフィルターなどの製品は、液晶や半導体関連分野へと大きく用途が広がっています。
例えば、日本精線独自の技術でマイクロメートル単位のファイバー化に成功したステンレス鋼繊維「ナスロン」は幅広い産業分野で活用されています。
素材として考えた時、ステンレス鋼線はまだまだ若く、今後もますます先端産業や環境分野などへと用途は広範囲に広がっていくことが期待できます。また、品質・機能は更に高度化することが予想されています。
日本精線は、研究開発の分野でも持てる総合加工技術で新たな領域に挑戦し続けて将来の更なる成長を目指している企業です。
まず、本日の研究銘柄として日本精線を選んだ理由を説明します。
1.今回の世界同時株安で、日本精線の株価も大きく下落し、投資指標的に見て割安な水準まで急落していること。
日本精線の5年間の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=5659&ba=1&type=5year
日本精線の3か月間の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=5659&ba=1&type=3month
2016年3月期の一株利益予想は58.70円です。
3月末時点の一株純資産は763.21円です。
9月10日の終値498円で計算したPERは8.5倍。
PBRは0.65倍です。
自己資本比率は69.6%です。
日本精線の財務ハイライトのページ
http://www.n-seisen.co.jp/ir/index.php/irinfos/highlights
2.過去に蓄積した利益で保有する現・預金は100.2億円と大きく、時価総額の60%以上あること。
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