半導体銘柄の調整が日経平均の波乱の背景
先般から調整の兆しが出ていた日経平均が波乱の展開。その背景は指数に影響しやすい一連の半導体銘柄の大幅な調整にあります。
トランプ元大統領への銃撃事件が週の初めにあって大統領選への関心が高まる中でバイデン現大統領がコロナ禍で演説を休むという事態でトランプ再選の可能性が一層高まったこともあり、その政策が早くもクローズアップされ、日本へは防衛費用負担の増額要求に加え、半導体規制があるのではとの思惑から、防衛関連が買われる一方で半導体装置企業にはネガティブな売りが出始めて、週末にかけて、一層鮮明に株価に反映されたという流れです。
年前半の上昇相場をリードしてきた東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコ、レーザーテック、SCREENなどの値がさ主要半導体関連銘柄に加え、アームを傘下に持つ指数への影響力の大きなソフトバンクGが売られる展開で、日経平均が下振れした流れです。日経平均株価は6月17日の安値3万7950.20円から7月11日の高値4万2426.77円まで11.8%の上昇を見せ、日足短期線からの乖離が7%に拡大した後の調整となりました。 既に日経平均株価は日足短期線の水準(4万円)まで高値から本日の安値3万9824.58円まで6.1%調整。来週以降更に調整するのかどうかに関心が寄せられますが、これは半導体銘柄やファーストR、ソフトバンクGなど指数をリードする値がさ銘柄次第となります。
実は日経平均の調整は3月22日の高値41087円から4月19日の安値3万6733円までの10.6%の調整を見せました。今回はまだその調整率を下回っており、なおも下値模索の可能性はありますので今後も警戒感が必要となります。
今回の調整はこれまで続いてきた為替相場が161円99銭までの円安から155円台までの円高に振れたことが背景にもなっていますが、米国の金利下げ、日本の金利上げ、日米金利差の縮小が背景になっての円高への動きですが、輸出企業の多くは前提レートを151円程度に置いていますので、極端に業績が悪化することにはならず、むしろこれまではどちらかと言えば不人気だった内需系銘柄に物色気運を高めてくれるというポジティブな見方をしておきたい
とは思います。
但し、円高は一過性の可能性があり、円安基調に変化が見られないとなれば、再びの株高トレンドに復帰することも十分に想定しておく必要があります。
また、本コラムでも先般から指摘してきた割安感のあるグロース銘柄への物色気運の台頭にも関心を持って頂く必要があります。最近ではクオリプス(4894)、ロゴスHD(205A)、コージンバイオ(177A)、WOLVES(194A)など直近IPO銘柄の株価上昇が顕著です。
これらのほか本日は長期に株価低迷してきたサイバーダイン(7779)が200円から239円へと上昇するなど忘れられた銘柄に物色の動きが見られます。
一部銘柄に偏ってきた全体相場の調整は案外、個人投資家各位には朗報なのかも知れません。
(炎)
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