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有料メルマガライブラリから(544)「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか2」

 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


==コラム「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか2」==
  (有料メルマガ第17回・2009/5/5配信号)

※2009年5月現在の内容です。留意してお読み下さい。


 先週のコラムに書いた二つの戦術『戦術は資金(=武器・弾薬)を二分して「世界から必要とされる高い技術を持ち、財務内容も良い企業の株を中長期で所有する」という戦術をとる部隊と「高技術力は持っていないけれど、安定的な事業基盤を確立しており、過去の利益ですでにバランス・シートに資産を豊富に蓄積している財務内容が良く、高いインカムゲイン(配当+優待)を継続的にはらってくれる確率の高い企業の株を高利回りのときに買って所有する」という戦術をとる部隊。この二つの戦術を駆使して、株式投資戦争に勝利を得ようとするわけです。』のうち「高技術力は持っていないけれど、安定的な事業基盤を確立しており、過去の利益ですでにバランス・シートに資産を豊富に蓄積している財務内容が良く、高いインカムゲイン(配当+優待)を継続的にはらってくれる確率の高い企業の株を高利回りのときに買って所有する」という戦術に基づいて戦闘行為を行なうときの、戦闘術を考えていきたいと思います。

 もちろん、高い技術を持っているので過去の利益で、現・預金や不動産を大量に蓄積している企業もあります。

 投資事例としてワキタについての私の実戦と反省などを今回は見ていただきたいと思います。配当収入をいかに高く確保するかを考えて投資した事例です。

 私はワキタに対しては、超短期の時間軸で投資を行ないました。配当を貰ったら直ぐ撤退するという作戦でした。しかし2月20日決算企業の高インカムゲイン銘柄が権利落ち後に暴落するのを見て(←戦場の状況を把握して)より安全に撤退することを考えたりしました。


『ワキタ戦についての考察』

 投資家によって時間軸がまったく違うので、短期的な株価のブレなどで、どちらが良いという判定は下せないと考えています。

 しかし、自分の投資方針、投資軸を持たずに投資していては、他の投資家の美味しいカモになるだけで、自分ではいつまでたっても良い思いができないです。

 中長期の投資軸(=視点)でワキタへの投資を考えている投資家にとっては、権利最終日の358円の株価から、配当権利落ち後の瞬く間の300円までの下落(←配当額の2.5倍程度の58円の下落)など、痛くも痒くも無い下落です。配当を23円取っており、買い値が安ければ、評価損なども、たいしたことはありません。中長期で投資し続けたら、軽く取り返せるマイナスです。考慮する必要もない相場のあや程度の変動にすぎません。

 実際にも配当は減配され15円になりました。しかし株価は権利落ち前の358円を4月初旬には、すでに回復していました。更に付け加えるなら私がワキタを利食いした資金で買った3月配当銘柄などは、配当と優待をいただいた後に踏み上げ相場の恩恵を受けて、買い値の20%上まで駆け上がりました。ワキタに投資していたままなら配当の15円を手に入れただけでしたが、当初の投資作戦通りに行動したおかげより効率的に運用益を確保することができました。

 話を戻します。『限られた資金で配当利回りをより多く確保しようという投資家』や『短期間という短い時間軸(=視点)で投資(←投機)している投資家』にとっては権利落ち前に利益を確保できていたならば、その時点での劣悪な相場環境や2月20日権利落ち銘柄の状況を参考に権利落ち前に撤退しておくべきでした。または配当権利落ち後に長期の視点の投資家が買ってきてくれて、配当分を考えれば利益を確保できたチャンスを逃すべきではなかったと考えています。

 一番愚かしいのは300円になって、売って損を確定してしまうことです。バリュー投資家で損切りラインを決めているような投資家は、間違いなく超愚かな株価でワキタを手放すことになるでしょう。

 私のワキタに対する投資スタンスは当初次のようなものでした。
『ワキタに対しては機動資金(=短期ですばやく動いて、短期的なサイクルから利益をコツコツ積み重ねる。いわば短期投機資金)という資金を投入して短期で利益を上げて、直ぐ撤退する。』このように考えていました。
 この資金は3月という優待族にとっても、配当族にとっても稼ぎ時のお祭りに参加するという最大の目的を持っている資金で2月銘柄に固定してはいけない資金でした。2月銘柄に塩漬けにするのは辛い資金でした。
 しかしワキタの財務内容の良さに目がくらみ(←占領地の豊かさに目がくらみ)投資を継続しようかどうか迷ってしまい、利食い時期を遅らせてしまいました。当初の作戦方針(→短期でサヤを抜き、再度3月の配当優待銘柄でも同じ資金で美味しく短期利益を確保する)を変更することなく、欲に引きずられ、迷ったままで、戦況を把握(=直前の2月20日決算の高配当銘柄が権利落ち後に暴落している状況)しながら、利食い撤退の行動を躊躇してしまいました。

 これは投資銘柄が大きく下落しそうだという危険を感じていながら、迷って行動せずに予想どおりのダメージを受けてしまうと、今後の投資行動(←緊急事態に瞬発力を持って決断し対処する能力=儲けるために必要不可欠の大事な力)を大きく毀損してしまう可能性が大きい危険な状況でした。

 もう一度、投資対象としてのワキタの内容を見てみます。

 ワキタのよさは財務のよさ、配当利回りが高いことです。現在の株価359円(5月1日原稿執筆時点)で利回りをはじくと5.8%に回ります。すでに所有している資産の価値が時価総額の何倍もあることです。(残念ながらワキタの3月末配当は3月30日のIRにより15円に減配されました。配当利回りは4.2%となりました。)

 あと主力の事業が機械(=土木建設機械の販売・レンタルが主力)専門商社なので、公共投資がスタートすると恩恵を受けること。

 あとPBRが0.22倍程度で、自己資本比率が約80%あること。

 金融資産リッチで時価総額が359円で146億円ほどのところ、現・預金+長期預金+投資有価証券だけで222.8億円も持っていること。

 流動資産+投資有価証券+長期預金-全部の負債=272.6億円で時価総額の約2倍もあること。

 おまけに土地45.0億円+賃貸用不動産208.6億円+貸与資産(=建機など)25.6億円+自社利用建物28.0億円+その他の資産32.0億円=339.2億円も持っていること。

 滋賀工場の近くにも、本社の近くにも公示地があり、本社の正面路線価は公示地の正面路線価よりも高いです。本社↓の底地の時価を公示地の価格を正面路線価で修正して、その価格を時価とするならば含みは72億円。でも大変な一等地にあるビルなのでもっと高いと思います。

 滋賀工場の含みは4.7億円くらい。あと商業ビルとか賃貸マンションなんかを大量に所有しています↓。

 まとめ書きされているので特定できませんが東日本(東京都港区を含む10店舗)の平米当たりの簿価4万円の土地66,699平米。西日本(大阪市西区を含む18店舗)の平米当たりの簿価6.3万円の土地62,558平米持ってます。

【中略】

 めぼしい所を見てみても、かなり含み益がありそうです。賃貸用不動産の簿価は平米当たり15.8万円で、面積は49,844平米。賃貸用不動産は商業ビルは大阪がメイン、賃貸マンションは福岡など上にある住所地の通り。この賃貸ビルの底地にもかなりの含みが想定できると考えます。

 とりあえず分かっただけの土地の含みなどを加えて計算してみると時価総額146億円(←株価359円での時価総額)に対し、資産を688億円程度持っています。

 この株を何で300円で売る必要があるのでしょうか。どうせ売るなら権利落ち前の360円どころで、いくらでも売るチャンスがありました。
 もし、権利落ち前の株価が上がっている時期に買って、いま投げているならば、このような投資家は、投資に対する投資方針を変えなければ、一生稼げない投資家、カモネギ投資家として他の投資家に貢ぐばかりの、他人にとって貴重でありがたい感謝される投資家(=陰でバカにされる)のままで終わってしまうことでしょう。

 次回のコラムでは、ワキタへの投資で学んだ大事なことを、少しまとめてみたいと考えています。


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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