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ベトナムのダナンに進出した日本のIT企業

 海の向こうではウクライナとロシアに続き、イスラエルとパレスチナが戦争状態。日本周辺でもそうしたきな臭い話が起こりそうな最近の情勢ですがビジネスの世界でもリスクを回避しようとしている動きが見られます。

 台湾の総統選挙を前に台湾有事が取り沙汰されていますが、そうした中でチャイナリスクに備える動きが今ますます盛んです。

 日本ではTDK、村田、ニデックなど電子部品産業の中国依存度が高いとされますが、パナソニックなど既に中国から撤退しようとする企業が相次いでいます。その多くはASEAN諸国やインドなどの親日国への進出に努めていますが、その中ではベトナムがクローズアップされています。

 但しベトナムも共産国家であり、かつては南北分断の時代があり、米国やフランスが絡んでベトナム戦争が1965年から1973年にかけ勃発したという歴史があります。ですから現在のウクライナ戦争やイスラエルとパレスチナ戦争の勃発によって、この時代に起きたベトナム戦争のことを思い起こさせてくれます。

 日本だって今から78年前は戦争状態であった訳ですがカントリーリスクを念頭に入れて各グローバル企業も海外進出しているものと推察されます。


 1億人近い人口を抱えるベトナムは日本との友好関係があり企業にとっては進出しやすい国です。インフラも整ってきており、日本からの距離も比較的近いので今後も様々な企業が進出すると見られます。

 先日面談させて頂いた企業にアドソル日進(3837)があります。
 同社はDX化の流れの中で毎期着実な成長をを遂げてきた技術力に優れた制御系IT企業です。
 同社は今月11日にベトナムでの人材育成に向けてベトナム・ダナン大学との「産学連携協定」を締結したと発表。ベトナムでのオフショア開発体制の強化・確立する中で日本国内の大学を卒業したベトナム人留学生の積極採用・現地での開発をマネジメントする「ブリッジSE」の育成外国籍社員の帰国後の企業支援・提携、同社グループオリジナルの教育ソリューション「Study Arts(スタディアーツ)」の展開などベトナムでの高度IT人材育成を推進。今般高度IT人材育成の更なる加速を目的にベトナム中部最大規模の国立総合大学であるダナン大学(学生数5万人)との産学連携協定を締結。同時に「スマート大学の実現」をテーマにした共同研究に関しての協定を締結した、とのことです。

 これに先立ち同社では9月7日にベトナムでのICT人材育成に向けて同社のOBが設立したスタートアップ企業「テックゼン社」と資本・業務提携を行うとのリリースも行っています。

 ベトナムでの事業は日本国内企業向けのシステム開発のみですが、現地企業との資本提携により将来の新たな事業展開にも期待したいと思います。

 全体相場の調整や中小型株の調整で同社株も1600円割れの動きが見られますが、こうした地道なグローバル展開で今後見直しの時期もやってくると大いに期待されます。11月7日の決算発表後の9日にはオンライン説明会も予定しています。


(炎)


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