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出来レースの賃上げではなく
億近読者の皆さんこんにちは。 金融教育の専門家 遠藤です。
春闘にて5%以上の賃上げを決定する企業が多いことが報道されています。
労働者にとっては明るいニュースであり、経済全体においても企業が内部留保を溜め込むより活気が出るのでポジティブに受け取れる話題だと思います。
ただ、若干気になるのは、労働者主導の賃上げというよりは、政府、経営層主導の賃上げの感がいなめないという点です。
政府が賃上げの後押しをしていることはいうまでもありません。
また、人手不足で悩む大手企業は、人財流出を食い止めなくてはいけないわけですから、賃上げに対しては前向きです。
私のイメージしている春闘は、労働者が労働三権「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」を駆使し、企業からもぎ取るものです。
「われわれ労働者の普段の努力の結晶として今の我が社がある。労働者に対する分配だけではなく、先行投資として賃上げを要求する」
という感じで交渉し、企業が
「うーん、本当は内部留保貯めておいたほうが赤字決算でも債務超過になりにくくなるし、設備投資や株主還元にCFを使いたい。安定より成長を望むならそれもいいでしょう。人がいないと会社は動かないから、皆様への分配と投資を優先します!一緒にがんばりましょう!」
という感じです。
正直、「出来レース」の賃上げもあると思われるのが昨今の賃上げです。
下記は経営者の生の声ではありませんが、実際このような思考の企業もある
のではないでしょうか。
「政府主導で賃上げムード高いし、他社が上げているからうち上げないと格好つかないな。人財の募集にもお金がかかるのだから賃上げは人財流出防止の必要経費だ。インフレもあるから多少賃上げしないと生活苦に陥る社員がいたら会社の社会的責任としてまずい。まー賃上げ分は価格転嫁して現場に頑張ってもらおう。」
労働者から突っつかれたから賃上げするのではなく、あくまで保身。
労働組合からいわしたら「何も言ってないのに上がっちゃった。拍子抜けした。」という組合もあるでしょう。もちろん、バチバチの労使交渉をしている企業もあるのも承知です。
賃上げから価格転嫁、結局現場は疲弊。では幸せな賃上げとはいえません。
仮に同じ事象だとしても、「高い収益・利益目標を掲げ、その実現のためには人の力が必要。だから先行投資として固定費引き上げとしてベアをする。」というのが正攻法でありリーダーシップのある賃上げです。このような会社か、仕方なしに賃上げした会社かでムードは違うでしょう。
労働者から突っつくとしたら
「会社として、明確な収益目標を示して欲しい。それに対し、人件費をいくら見込み、目標達成のためにいくら先行投資をし、人財にどのように分配するのか示して欲しい。目標達成時の成功報酬も示して欲しい。」
という感じです。
これからは会社に就職する人は、自分のパフォーマンスとリターンが見込める会社に入ると、やりがいが持てると思います。そのためには財務の知識が必要です。
株式投資で財務の知識を身につけましょう。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
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