#48 前田工繊(7821) 2020/02/25
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山本潤監修「グロース銘柄発掘隊」 第48号
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山本潤氏率いる「株の学校」で、山本氏をはじめとする講師陣の薫陶を受けた精鋭アナリスト達が、成長株を発掘し、その内容を詳細にレポートします。
毎週火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。
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【目次】
■はじめに
■前田工繊(7821) 客員アナリスト 小月陸
■モデルポートフォリオ
※本メルマガの一部内容を、億の近道へ抜粋の上掲載することがございますので、あらかじめご了承下さい。
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■はじめに
NPO法人イノベーターズ・フォーラムのご協力により、客員アナリスト
たちのレポートの有料メルマガを提供しております。
グロース銘柄発掘隊の隊長は東京2期生です。
彼の指揮下、隊員たちは、週に一本のフルレポートをディープに発表します。
どれも個性あふれるレポートです。
投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ、グロース銘柄発掘隊の客員アナリストたちへのご支援をよろしくお願い申し上げます。
(山本潤)
【発掘隊より】
グロース銘柄発掘隊は、5年から10年以上の長期投資に耐えると思われる銘柄を発掘し、調査分析するものです。配信した銘柄は短期的に株価調整する場合もありますが、対象企業の前提条件が変化しない限り、問題ないと考えます。
配信した銘柄は定期的にチェックしております。もし、前提条件が変わったりビジネス環境が大幅に変化した場合には、あらためてフォローコメントを配信致します。
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前田工繊(7821)
【会社概要】
同社は2018年に創業100年を迎えた福井を代表する老舗企業です。
事業内容は多岐に渡り、落石や土砂渦れを防止するための盛土補強・軟弱地場安定材からコンクリート構造物補強材、港湾・河川汚濁防止用フェンスなど土木に関連する商品だけでなく、ベントレーなどの高級車向けのホイールやクリーンルームで使うワイピングクロスまで提供しています。
古くは織物を自社で生産する会社でしたが、戦後はナイロンを扱う大手企業の下請けを中心に事業を展開していました。しかし、下請けとして取引先の指示する通りの商品を納期通りに納めるという仕事に面白みを見出すことができなかった現代表取締役会長兼CEO前田征利氏が、会社をユニークな商品を取り扱う高利益体質な企業に変革します。
特に2010年代に入ってからはM&Aをうまく活用しながら、売上を約3倍、営業利益を約4倍まで伸ばしています。
同社は土木資材関連という一見コモディティ商品がはびこるような業界にいながら、約15%前後の営業利益率を保ちつつ安定して売上を毎年10%ほど成長させています。
以下ではセグメントごとにどのような事業を行っているのか具体的にみていきます。
◆ソーシャルインフラ事業
同社のセグメントの中で売上比率66%を占める主力事業がこのソーシャルインフラセグメントです。このセグメントでは、主に公共事業で使われるような落石を防止する柵や、地盤を安定させるための資材、野生の動物から農作物を守るための防護柵、そして養殖魚の餌など様々な商品の売上が含まれています。
2007年以降このセグメントの平均成長率は7%、標準偏差8%と非常に安定して推移しています。
安定成長を支えている大きな要因の一つは同社の高い技術力です。
例えば東日本大震災の際に除染で大活躍した紫外線に強い「黒い土のう袋」のようなニッチで高性能な商品を提供しています。営業体制としては公共事業の企画が始まり、具体的な設計案を練り始めた段階で設計コンサル会社に対して提案を行います。設計コンサルタントも同社の製品の耐久性や性能を前提として計画を建てるため、資材メーカーであっても下請けとして価格競争に陥ることなく利益を出すことができます。
また、M&Aの上手な活用も同社の成長を支えてきた大きな要因です。
2000年以降10社以上買収していますが、養殖魚の餌を提供する釧路ハイミールなど一見既存事業と無関係な企業を買収しながらも2013年以降は常に15%以上の営業利益率を保っています。
同社が過去買収を行った際の選定ポイントとしては、製品はいいのに営業が弱かったり、設備投資が足りていない、また、工場が汚いという企業というのがうまくいくパターンのようです。
営業利益の目安としては、買収後に15%程度見込めるものです。
現在市場環境的M&Aが過熱気味になっているため、PEファンドや日本M&Aセンターのような仲介業者経由では決して買わずに、常に候補を自社で探して100社程度のプールを作りながら、毎年1~2社程度タイミングをみて今後も買収を継続していく計画です。
◆インダストリーインフラ事業
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