四半期決算発表をどう評価するのか
今週あたりから決算発表が相次ぎます。
23日にはニデック(6594)や三菱自動車(7211)の1Q決算発表が予定されています。輸出企業にとっては1Q末の円安水準から好調な業績で着地したとの見方が有力ですが、既に2Qになって円安から円高に向かいつつある中で株価は既に過去の高値から調整場面を迎えており、発表される業績に対しポジティブな変動が見られるのかどうか関心が寄せられます。
ニデックの場合は今期2Qの営業利益見通しが1000億円、通期2300億円ですので、これに対しての1Qの進捗率が注目されます。株価は既に5月28日に高値8066円でピークを打ち、19日の安値6761円まで16.2%調整。予想PER23.7倍、時価総額4兆円が高いのか安いのか投資家の判断が分かれます。
一方で三菱自動車(7211)については2Qを開示せず、通期のみ営業利益1900億円(前期比0.5%減)としており、1Qの進捗率が25%以上となるのか、欧米などの伸びを中心に見込んでいますので、その進捗率に関心が寄せられます。
同社の時価総額は自己株を除いて6952億円。時価PER4.2倍、PBR0.69倍、配当利回り3.21%の水準。自動車メーカーの中では日産と同様に評価が低い銘柄ですが、四季報夏号では会社の前提為替レート142円に対し現状の為替相場が大きく乖離しており、そのために既に通期業績を2200億円とニデック並みの水準に上方修正しており、両社を比較するのはなかなか面白いかと思います。
株式投資は短期的な業績よりも中長期的な視野で成長が見込まれるのかどうかに焦点が置かれます。両社の利益の差が大きく違わないのに時価総額が圧倒的に違うのは、市場が期待する将来の収益の違いにあるとも言えますが、現状においては圧倒的に三菱自動車の割安感があるとも言えます。
24日はこのところの株価上昇が顕著な富士古河E&C(1775)が発表予定。2Qの予想営業利益20億円に対してどこまで利益計上したかに注目。
通期の予想営業利益780億円に対して1Qの進捗率が気になるオービック(4684)、前期の営業減益に対して今期17.9%の営業増益を見込む日本航空電子(6807)の発表があります。
こうした各企業の四半期決算動向をウォッチしながらの投資が続くことになりますが、為替相場の変動に端を発した全体相場の調整がどのように落ち着くにかも見極めながらこの暑い夏の運用が続くことになります。
(炎)
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