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低評価の日経IRフェア出展企業に注目

 8月23日から24日ビッグサイトで開催された日経IR・個人投資家フェアには84社ほどの出展企業が見られた。その展示では決まった時間に各社のプレゼンテーションがあり、関心を持った投資家が経営トップやIR担当者の話に耳を傾けていた。筆者もリブワーク(1431)の瀬口社長の情熱的な3Dプリンター住宅の話に耳を傾けることになった。

 この話は次回の億の近道で取り上げることとしますが、各企業が未来に向けた活動を集まった個人投資家に積極的にアピールすることで評価の低い株価に多少でもインパクトをもたらすことになると参加した企業は本望かと思います。

 それにしても出展している企業の評価の低い状況が改めて感じられました。
 各企業の展示ブースには株価とPER、PBR、配当利回りが掲げてあり、それぞれ細かく見ていると大変に割安に放置されていることがわかります。
 84の銘柄には社歴の古い有名企業に交じってまだ無名の比較的認知度の低い企業名もありました。その中にはPERが低い、PBRが低い、配当利回りも高いという銘柄も見出せました。


1.竹田iPホールディングス(7875)時価867円

 商業印刷から包装資材、印刷資機材、半導体マスクなどに展開、26年度売上355億円、営業利益16.3億円を目指す。
 今期予想EPS108.2円 PER8.0倍 PBR0.42倍
 配当利回り3.8%

2.美濃窯業(5356)時価852円

 セメント向け耐火煉瓦中堅。半導体業界設備投資関連。
 今3月期売上高155億円(+9.5%)、営業利益15億円(+10.9%)。EPS107.3円。1Q営業利益2.53億円(+60.3%)、PER7.9倍、PBR0.64倍、配当利回り3.76%。

3.東和ハイシステム(4172)時価1957円

 歯科医院向け電子カルテ統合システムを西日本中心に展開。リブワークの隣で展示。ひときわ大きな声でプレゼンされていたのが同社の社長だったのかどうかは知りませんが、やや気になって後で調べたところヘルスケア関連のシステム企業だと判明。これから株価が上がるなどとやや露骨な表現で閑散なブースに投資家を集めようとしていたのかも知れません。
 8月20日に今9月期業績を上方修正。売上高23億円を21億円と下方修正した一方で営業利益を3.68億円から4.1億円に上方修正。経常利益も4.18億円から5.54億円に修正した形です。
 AI・音声電子カルテ統合システムやAI・音声歯周病検査システムが伸びてハードの売上が減少する一方で利益はこうしたシステムの伸びで上昇修正されたと見られます。
 これに加えて2Q配当金30円に期末配当金58円の合計88円配当(配当性向52.4%)を実施すると発表。配当利回りは4.5%に拡大することになった。PER11.7倍、PBR1.1倍で、配当利回り4.5%の水準。 20年12月のIPOでIPOは下落トレンド継続。
 無名ながら気になった銘柄。


 このほかクラウドファンディング関連のクリアル(2998・時価4085円)やIPO後の株価上昇が顕著な低分子抗がん剤のChordia Therapeutics(190A)はマイルストーン型の創薬ベンチャーでの本日の株価が8.5%上昇するなど気になった。
 一方で直近まで急騰(ボトムから58.3%上昇)していたジャノメ(6445)のように週明けに急落した銘柄もあり、明暗が分かれてはいる。

 IRフェア展示銘柄にはしばらく関心を寄せておくことにしたい。


(炎)


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