#94 参天製薬(4536) 2021/01/12
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■
=========================
--------------------2021/01/12
山本潤監修「グロース銘柄発掘隊」 第94号
-------------------------
=========================
山本潤氏率いる「株の学校」で、山本氏をはじめとする講師陣の薫陶を受けた精鋭アナリスト達が、成長株を発掘し、その内容を詳細にレポートします。
毎週火曜日配信、1回に1銘柄の深掘りレポートです。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■
【目次】
■はじめに
■重要なお知らせ
■参天製薬(4536) 客員アナリスト 七夜 皐月
■モデルポートフォリオ 1/5更新
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■■◇■◇■◇■◇■
■はじめに
NPO法人イノベーターズ・フォーラムのご協力により、客員アナリスト
たちのレポートの有料メルマガを提供しております。
グロース銘柄発掘隊の隊長は東京2期生です。
彼の指揮下、隊員たちは、週に一本のフルレポートをディープに発表します。どれも個性あふれるレポートです。
投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ、グロース銘柄発掘隊の客員アナリストたちへのご支援をよろしくお願い申し上げます。
(山本潤)
【発掘隊より】
グロース銘柄発掘隊は、5年から10年以上の長期投資に耐えると思われる銘柄を発掘し、調査分析するものです。配信した銘柄は短期的に株価調整する場合もありますが、対象企業の前提条件が変化しない限り、問題ないと考えます。
配信した銘柄は定期的にチェックしております。もし、前提条件が変わったりビジネス環境が大幅に変化した場合には、あらためてフォローコメントを配信致します。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■
■参天製薬(4536)
私は、中学生の頃から近視で眼鏡をかけています。10年以上前にレーシック手術を目的に医者に行ったところ、視野角検査(暗闇で片目を眼隠した状態で隠していない方の目にてランダムで光る光点が見えるかを確認する検査)をそこで初めて実施して、右目の視野角がかなり狭く(殆どの光点が見えない)緑内障の疑いがあるとのことが分かりました。
それから緑内障治療薬として同社のコソプト点眼液を10年以上使用しています。また、私の妻も近視で社会人になってコンタクトを使用し始めた辺りからドライアイとなりドライアイの治療薬として同社のヒアレイン点眼液を10年以上使用しており、我が家にとっては無くてはならない会社です。
また高齢化が進むと眼の病気にかかりやすくなると言われていること、世界中でデジタル化が進んでおり、スマホ等デジタルデバイスを使用する機会が増えることにより、目への負荷が増加し、近視やドライアイの患者が増えていることなど今後同社への期待は益々増大すると思われます。
同社の強みとは何か、その強みは継続されるものなのか、今回検証してみたいと思います。
【会社概要】
医療用眼科医薬品の研究開発、製造・販売が主となります。
売上比率(2019年3月期)は、医療用医薬品93%、一般用医薬品5%、医療機器1%、他1%海外売上比率32%のグローバル企業です。
◆眼の病気について
眼の病気は、大きく分けると1)前眼部疾患、2)緑内障・視神経障害、3)後眼部疾患の3種類です。
1)前眼部疾患は、ドライアイ、アレルギー性結膜炎、眼感染症、近視など従来から見られている病気です。
ドライアイは、眼の表面を覆ってゴミなどを洗い流したり、栄養を補給するなど眼を守るような働きをしている涙が少なくなったり、涙の成分バランスがくずれることで結膜や角膜の上皮が痛み、目が乾いてしまう病気のことです。
2)緑内障・視神経障害とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。治療が遅れると失明に至ることもあります。
緑内障は、眼圧が上がることにより、視神経が圧迫され視野角が狭くなっているモードと眼圧は低いものの視神経に障害があり、視野角が狭くなっているモード(先天性のもの、他の原因-外傷や網膜剥離、薬物の副作用など-)があり、筆者もそうですが日本人の90%が後者であると言われており、筆者同様に片目だけの緑内障であると自覚されてはいない患者予備軍が沢山いると考えられます。
眼圧が上がるメカニズムについてですが、通常は眼房水が主経路(シュレム管)から90%、副経路(ブドウ膜強膜流出路)から10%排出されるのですが、様々な要因によって排出経路が阻害されて眼の中に貯留してしまうことです。
3)後眼部疾患は、老化により近年患者が増えてきた黄斑疾患と後部ぶどう膜炎、糖尿病網膜症などです。
近年の高齢化社会に伴い増えている加齢黄斑変性は、モノを見るときに重要なはたらきをする網膜の中心部である黄斑という組織が、加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気のことで、黄斑が変化すると、モノがゆがんで見えたり、視野の中心が暗くなる・欠ける症状が出ます。
加齢黄斑変性には萎縮型と言われる加齢と共に萎縮してくるタイプと滲出型と言われる健康な状態では存在しない新生血管と呼ばれる異常な血管 黄斑部の脈絡膜(網膜より外側に位置し、血管が豊富な膜)から発生し、網膜側に伸びてくるタイプの2種類があります。後者は、糖尿病網膜症、緑内障とともに、失明を引き起こす原因となる病気でアメリカでは、失明の原因第一位です。
ここから先は
¥ 2,000
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?