３市場時価総額１０００兆円超えの株式市場

　猛暑の夏が到来しました。
　いささか例年より早い夏のご挨拶ではありますが、皆様、暑中お見舞い申し上げます。

　暑さ厳しい中で繰り広げられてきた東京都知事選は大方の予想通り現職の小池知事が２９０万票を獲得して再選される結果となりました。
　猛暑の中で都知事選とともに株式相場もＴＯＰＩＸに続き日経平均が高値更新となるなどホットな展開となってきましたが、あまりに暑い（熱い）日が続くため、そろそろ買い疲れ感も出てきそうな今日この頃。利益確定売りが待つ展開も想定されますので、多少は冷静に見守っていく必要がありそうです。

　日柄調整を経て高値更新を果たした日経平均、ＴＯＰＩＸは、ここからどのあたりまで上昇してくるのかに関心が寄せられます。時価総額の大きな主力銘柄の底堅さの一方で、相変わらず上値が重いグロース２５０指数も短期ホットマネーが出遅れ銘柄や低評価の直近ＩＰＯ銘柄を中心に物色気運が残り、徐々に上値を追う動きを想定しておきたいと思います。


　ＴＯＰＩＸが１９８９年の史上最高値（２８８４ポイント）を更新したのに続き、日経平均も３月高値を更新。既にプライム市場（１６４５銘柄）の時価総額は先週末段階で９９３兆円となり１０００兆円を前にしています。
　スタンダード（１６０２銘柄）、グロース（５８７銘柄）を合わせた３市場の合計では既に本日現在で１０２４兆円となり１０００兆円の大台を突破しています。

　時価総額が１０兆円を超えている１９ほどの銘柄（トヨタ、三菱ＵＦＪ、キーエンス、ソニーＧ、東京エレクトロン、日立、ソフトバンクＧ、リクルートＨＤ、三井住友ＦＧ、三菱商事、ＮＴＴ、ファーストリテイリング、信越化学、伊藤忠、東京海上ＨＤ、三井物産、任天堂、第一三共、中外製薬）が主役となっての株式相場ですので、大半の投資家の皆さんがこうした銘柄を多かれ少なかれお持ちになっているものと推察しますが、これらの中ではソフトバンクＧ（９９８４）や日立（６５０１）が強く、それに続く三菱重工（７０１１）など日本を代表する銘柄にもホットマネーが向かっているとの印象です。
　一連の半導体関連銘柄のうち東京エレクトロン（８０３５）や信越化学（４０６３）は３月高値を更新していませんが、再び人気化しつつある状況だと言えそうです。

　日経平均の本日の高値は４万１１１２円で昨年末に比べ２２．８５％の上昇となりました。指標面では７月８日現在の日経平均では予想ＰＥＲ１７．１７倍、実績ＰＢＲ１．５４倍、予想配当利回り１．７６％。円安による収益向上によって予想ＰＥＲが今後低下する可能性もありますので、まだこの指標面で割高だとかは言えません。過去の経験則からはＰＥＲが２０倍を超えてくると警戒する必要がありますが、指標面からは現状はまだ上昇する可能性を秘めていると言えそうです。

　同様にプライム市場はＰＥＲ１６．７６倍、ＰＢＲ１．４４倍、配当利回り２．２５％という水準で、スタンダード市場もＰＥＲ１４．４４倍、ＰＢＲ１．０４倍、配当利回り２．２９％ということで決して割高感がある訳ではありません。
　ただ、グロース市場だけは、ＰＥＲ５０．７６倍、ＰＢＲ３．２４倍、配当利回り０．６３％と言う水準で割高感があるためグロース指数の上値が重い背景になっている点につながっていると言えます。何も成長しない流動性に乏しいグロース銘柄をわざわざ投資対象にしなくても、コア銘柄は流動性の高いプライム市場や割安感のあるスタンダード市場から選定すれば済む訳です。


　という市場潮流の中で当面は時価総額が大きな銘柄群にフォーカスした運用が主体となって日経平均、ＴＯＰＩＸの上昇が続くと見ておきたいと思います。


（炎）


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