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人気化するヨウ素2社 ~既に株価のピーク場面を迎えているか?

 全体相場が調整の中にある一方で高値更新の動きにある銘柄も散見されます。いわゆる二極化の流れです。

 上げトレンドを堅持している部類の主力銘柄ではTDK(6762、6.13高値9039円)、三菱重工(7011、6.14高値1560.5円)、村田製作所(6981、6.14高値3260円)、日立(6501、6.11高値17340円)、ソフトバンクグループ(9984,6.14高値1万220円)などがあります。

 これらに対して東京エレクトロン(8035)を始めとした半導体コア銘柄を中心に多くの銘柄が調整ムードの中にあります。特にこのところはトヨタ(7203 3月高値3891円⇒6.17安値3010円▲22.6%)を
はじめ、NTT(9432 1月高値192.9円⇒6月安値144.5円▲25.1%)、デンソー(6902 4.12高値2993.5円⇒6.17安値2310.5円▲22.8%)、パナソニック(6752 23.9高値1808円⇒6.17安値1252.5円▲30.7%)、京セラ(6971 24.1高値2333.5円⇒5.30安値1753.5円▲24.9%)などの調整の動きが顕著です。

 これらの輸出関連銘柄以外でも1-3月の株価の高値から20%前後の調整を見せている内需系の銘柄(JR東日本、JR東海、NXHD、トリドール、鹿島など)も見られます。


 一方ではスポーツ関連のヨネックス(+77%)、アシックス(2.3倍)、ミズノ(2.3倍)などが強い動きを見せ、三越伊勢丹(2.3倍)、H2OR(+72%)、高島屋(+47%)などの消費関連銘柄の株価が堅調です。
 また、昨年12月の安値から65%の株価上昇を見せている関西電力やニデック(+50%)のような銘柄が底堅い動きとなっています。


 こうしたコア銘柄に二極化の動きが見られるほか、このところは極端な人気を集めている業種としては千葉県の天然ガス(ヨウ素)2社が急騰を演じています。

 伊勢化学(4107・2月安値9620円⇒直近高値40500円 4.2倍)とK&Oエナジー(1663・2月安値2205円⇒6.17高値4280円+94%)の2社ですが、これらは次世代の太陽電池とされるペレブスカイト太陽電池に不可欠とされるヨウ素のメーカーなのです。
 しかもこのヨウ素は日本で産出される貴重な資源で千葉県産天然ガスのかん水に豊富に含まれていると言われており、これらの2社が脚光を浴びて株価の上昇につながってと言えます。
 ただ、この千葉県茂原市の天然ガス資源についてはかつてからあった話ではあり、今更の感はあります。
 これらのほか三菱ガス化学(4182)やラサ工業(4022)もヨウ素関連で人気化しています。伊勢化学の時価総額は2000億円を超えています。その親会社は時価総額1.15兆円のAGS(5201)。流石に親会社までは影響していないようですが、ヨウ素相場がどこまでいくのか、気になるところです。
 同様にK&Oの16%の大株主であるエアウォーター(4088)の株価にも波及はしていないですが、多少は関心がもたれているのかも知れません。

 これらの株価は既に短期急騰を演じており、やや過熱気味の展開。短期投資家が未来に期待して動きの良いこれらの銘柄を担いだ結果の株価。テクニカル上の移動平均線からの乖離が大きくなってきたことから、そろそろピークをつける時期ではないかと気をもむ展開です。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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